1日のうちに株価が急上昇または急下落し、値幅制限を超えないように取引所が売買を停止する「ストップ高」と「ストップ安」。では、ストップ高の翌日にストップ安となった銘柄については、どうすればよいでしょうか? 考えてみましょう。
「ストップ高」の翌日に「ストップ安」…その株は買いか、売りか? ※画像はイメージです/PIXTA

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なぜストップ高の翌日にストップ安になるか

まず核心に迫り、なぜそのようなことが起きるのかを、考えてみましょう。

 

これは要するに、ストップ高の後に市場が「この後は上がらない、売って利益を確定しておこう」と判断したからでしょう。

 

みんなが買うから価格が高騰するのであり、逆にみんなが売れば、価格は急落していきます。最初にみんなで買ってストップ高になったものの、その後はもう上がらないだろう、売って利益を確定しておこうとみんなが考えたため、急落するのです。

 

そして株式市場には、「買いが買いを呼ぶ」「売りが売りを呼ぶ」ことがあります。「値上がり(値下がり)した→まだ上がる(下がる)だろうから買おう→それによりさらに値上がり(値下がり)した→まだ上がる(下がる)だろうから買おう」という正のフィードバックが働いてしまうのです。ストップ高の翌日のストップ安という現象も、このような作用が起きていると考えられます。

 

したがって賢明な投資家は、それに振り回されないことが重要になります。

ストップ高の翌日にストップ安…その株を所有していたら

もし所有していた株がストップ高の翌日にストップ安になった場合、どう判断するべきでしょうか。

 

もっとも成功確率の高い判断方法は、ストップ安になった時点での株価が割高か割安か、ということではないでしょうか。

 

なおここでいう割高・割安は、単にPERやPBRが低い、配当利回りが高い、というだけではありません。もっと多面的に、財務の健全性や将来の成長性、収益の安定性なども考慮した、総合的なその企業の価値に対して、株価が割高か割安か、を判断したものです。

 

もし割高ならばそれは、最初のストップ高が単なる偶然による過剰評価だったということになります。ストップ安になってもまだ割高ならば、さっさと売ってしまった方がよいでしょう。

 

もし割安ならばそれは、ストップ高翌日のストップ安が単なる偶然による過小評価だということになります。保有していても、また上がる可能性は高いのではないでしょうか。