少子化が進む一方で、「我が子にはより良い教育を受けさせたい」と私立中学校の人気は高まるばかり。いったいどれくらいの児童が中学受験を経験し、実際に私立中学校に進学しているのでしょうか。東京都教育委員会の資料から、東京都区部のデータを見ていきます。
【最新】東京23区「私立中学進学率ランキング」…区内の「受験格差」さらに拡大 (※写真はイメージです/PIXTA)

東京23区「私立中学進学率」…3位は「港区」、2位は「中央区」、1位は?

では23区の私立中学進学率のベスト3を見ていきましょう(関連記事:『【すべて見る】東京23区「私立中学進学率ランキング」…2021年、1~23位を発表』

 

まず第3位は「港区」で私立中学進学率は42.34%。前年から2ポイント近くの上昇となりました。

 

区部の中でもとりわけ世帯年収が高いことで知られている「港区」。教育熱が高いことでも知られています。区内には男子御三家に数えられる「麻布中学校」や、名門「慶應義塾中等部」などの私立中学校が点在。さらに越境通学の希望者も多い、南青山の「青南小学校」や白金台の「白金小学校」、西麻布の「笄(こうがい)小学校」など、名門公立小学校が多いことで有名です。

 

続いて第2位は「中央区」で43.22%。前年から5ポイント近くの上昇で、前年2位の「港区」を上回りました。

 

昨今、臨海部の高層マンション群に教育熱の高いファミリー層が増え、中学受験層が増加している「中央区」。区内にある私立中学校は1校だけですが、有名公立小学校が点在することでも知られています。注目は、2022年夏竣工予定の「東京ミッドタウン八重洲」に入居が予定されている「城東小学校」。高層部に「ブルガリホテル東京」が入ることから、いまから「ブルガリ小学校」といわれています。ほかにも、アルマーニの制服で知られている「泰明小学校」など、“ブランド公立小学校”が多く点在しています。

 

そして東京23区の中で最も私立中学進学率が高かったのは「文京区」で47.89%。前年度から4ポイント近くの増加となりました。

 

区内には女子御三家に数えられる「桜蔭中学校」があるほか、「筑波大学附属中学校」「東京都立小石川中等教育学校」「お茶の水女子大学附属中学校」「東京学芸大附属竹早中学校」と、人気の公立中高一貫校や国立名門附属中学校が点在し、もともと教育熱の高いエリアとして知られています。また「千駄木小学校」「誠之小学校」「窪町小学校」など、公立名門小学校も多く点在しています。

 

一方で、23位となったのは「江戸川区」で11.50%。前年から1ポイント近くの上昇となりましたが、トップと23位との差は前年の32.12ポイントから36.39ポイントと、4ポイント近くも拡大しました。

 

進学率の差は、世帯年収の差と強い相関関係にあるといわれています。世帯年収トップの「港区」は1,163万1,584円。一方、23位の「足立区」は347万1,928円。ちなみに「江戸川区」は20位で370万9,536円。トップとは800万円近い格差があるわけです。私立中学校の学費平均は414万円となり、高額。経済的余裕は中学受験を目指すかを決定付けているようです(関連記事:『最新「東京23区年収ランキング」1位と23位の年収差、815万円に縮小』)。

 

*文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」参照