バブル崩壊後、大卒でも就職が困難だった「氷河期」世代の人たち。特に困難に初めて直面した、現在50代前半の人たちは、正社員になるタイミングを逃し、非正社員のまま現在に至る人も珍しくありません。そんな人たちが直面している現実は、あまりに残酷でした。
未だ奨学金返還の目途立たず…「50代氷河期世代」の残酷すぎる現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

【関連記事】「非正社員」vs.「正社員」残酷なまでの給与差…50代給与分布表

大卒でも正社員になれなかった、50代の氷河期世代

バブル崩壊後、就職が困難だった時代を指す「就職氷河期」。一般的に1993年から2005年卒の人たちで、大学卒であれば2021年に39歳~51歳になります。

 

バブル崩壊前まで有効求人倍率は1.4倍程度で、1992年までは1倍を上回っていました。しかし1990年に株価が大暴落し、バブル景気が終焉。1993年から2005年まで、有効求人倍率は1を下回ることになりました。新卒で希望の企業や業種で正社員になることを諦めた人たちは、フリーターや派遣社員になど、社会保険のない非正社員となったのです。

 

文部科学省『学校基本調査』によると、1991年に81.3%だった就職率(就職に至った割合)は下がり続け、2002年には51.1%にまで低下。2005年で氷河期は終了します。そのころから徐々に転職は珍しいことでは亡くなる一方で、WEBなどを通して気軽に中途採用情報などが手に入るようになりました。当時20代だった氷河期世代はその流れにのって、正社員になったという人も多くいました。

 

ただその流れに乗れなかったのが、当時、すでに30代後半に差し掛かっていた人たち。会社において中堅となる年でありながら、正社員としての経験がなかったため、転職による浮上のきっかけもつかめないまま、2021年現在、50代になった、という人が多くいるのです。

 

50代というと、会社員人生で年収がピークを迎えるとき(厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より)。

 

【年齢別「平均年収」の推移】

20~24歳 313万9500円(334万2100円)

25~29歳 389万5400円(440万4900円)

30~34歳 441万4200円(523万4900円)

35~39歳 493万5000円(610万3500円)

40~44歳 530万6200円(687万6100円)

45~49歳 560万6600円(758万6300円)

50~54歳 590万4400円(869万0100円)

55~59歳 584万2600円(835万6000円)

60~64歳 430万1700円(569万2200円)

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より算出

※平均年収はきまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出。数値は男女計、(かっこ)内は大卒男性の場合

 

正社員と非正社員、50代でどれほどの給与差がついているか、同調査で見ていくと、50代前半、正社員の給与の中央値は46万8,000円。非正社員は22万4,400円。月に20万円以上の給与差が生じています(関連記事:『「非正社員」vs.「正社員」残酷なまでの給与差…50代給与分布表』)。

 

また金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年』によると、金融資産保有額から借入金を引いた純資産額は、50代ではじめてプラスとなり、60代で大きく増えていることから、子どもの教育費に目途がつき、老後を見据えて貯蓄を本格化させるとき、それが50代だといえます。

 

 

【年齢別「純資産額」の推移】

「20歳代」-186万円

「30歳代」-1776万円

「40歳代」-1046万円

「50代」368万円

「60歳代」1054万円

 

出所:金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年』より、各年齢平均値より算出

 

ただ氷河期世代の50代には、貯蓄を本格化させることなどとてもできない人たちがいるのです。