「公務員だから安心」のイメージは本当か?
国家公務員の給与は「民間準拠」が基本で、大企業並みとはいえ、特別高いものではありませんし、民間企業とは違い、天井が見えています。
それでもやはり「公務員はいいなあ」と思ってしまうのでは、先行きが見えないなか、安定性に魅力を感じるからでしょうか。しかし「国家公務員だから将来は安心」はイメージだけで、当の本人たちは将来に不安を抱えているようです。
人事院『令和2年度退職公務員生活状況調査』によると、「定年退職後もフルタイムで働きたい」と希望する人は、全体の86.6%。さらにその理由で最も多いのが「日々の生活維持のために必要」で就労希望の87.9%にも上ります。
もちろん「働かないと生きていけない」というものではなく、「高い生活水準を維持するのに働きたい」という人も多いでしょう。ただ「公務員であれば老後も安泰」と余裕を感じている人は国家公務員でも少なく、民間企業に勤務する会社員同様、将来の不安は大きいといえるのです。
【国家公務員「定年後もフルタイムで働きたい」理由】
「日々の生計維持のために必要」87.9%
「経済的により豊かな生活を送りたい」38.1%
「社会との接点や生活の張り・生きがいを持ちたい」42.3%
「仕事を通じて社会や職場に貢献したい」33.4%
「健康維持のために必要」30.1%
出所:人事院『令和2年度退職公務員生活状況調査』
※複数回答可
多くがその安定性に注目し、羨望の眼差しを向ける公務員。なかでも国家公務員はエリートのイメージが定着していますが、国家公務員なりにツライ……これが現状のようです。