給与はなかなか増えず、それに伴い、貯蓄もうまく進まない……。そのようななか、多くの人が老後に不安を抱えています。その要因のひとつが「お金はいくら必要か」という悩み。いったい、いくつ年を重ねれば、お金の心配などしなくてもよくなるのでしょうか?
90歳でも「お金の不安」から解放されず…日本の高齢者の切ない現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金だけで足りるかどうかは、家族構成や生活スタイルで変わってきますので、「給付される年金で十分」という人もいれば、「年金だけでは食べていけない」という人もいるでしょう。

 

年金だけでは不足という人たちの多くは、貯蓄を取り崩しながら、ということになります。金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年』によると、金融資産保有額から借入金を引いた純資産額は、多くが住宅ローンや教育費に目途がつくであろう50代ではじめてプラス。60代で1,054万円となっています。これが年金暮らしになったときの貯蓄と考えると、老後はどうなるのでしょう。

 

たとえば70歳で貯蓄1,054万円があるとしましょう。70歳の平均余命は、男性16.18年、女性20.49歳(関連記事:『【2021年】平均余命早見表…あと何年生きられるのか?』)。女性に合わせて、余命20年とすると、1ヵ月あたり7万円ほど、貯蓄を取り崩すことが可能、ということになります。

 

随分と余裕が生まれたように思うかもしれませんが、これは、あくまでも平均的な貯蓄が合った場合の話。同調査では70代で「金融資産なし」が18.6%。これには「運用目的」とは考えていない預貯金は含まれますが、さらに貯金がまったくない70代は1.5%。100人の高齢者がいたら、1人以上は「貯金はまったくゼロ」という水準。これが多いのか、少ないのか、判断が分かれるところですが、生活に困窮する高齢者は確実にいる、というのは事実です。

 

このような事態にならないよう、現役世代にできることは、計画的な資産形成。しかし貯蓄にまわすだけの収入もない、という人もいるでしょう。そのような場合、どうすればいいのか……いまのところ、解決策は示されていません。