年収がピークに達する50代…老後を見据えて貯蓄をする絶好のタイミングだが
総務省統計局『人口推計』の最新統計によると、全国の50代は1694万人。前出調査から50代の71%が将来不安を吐露したと考えると、その数は単純計算、約1200万人にもなります。
厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、会社員の平均年収は年齢とともに年収は増えていき、50代前半でピークを迎えます。
【年齢別「平均年収」の推移】
20~24歳 313万9500円(334万2100円)
25~29歳 389万5400円(440万4900円)
30~34歳 441万4200円(523万4900円)
35~39歳 493万5000円(610万3500円)
40~44歳 530万6200円(687万6100円)
45~49歳 560万6600円(758万6300円)
50~54歳 590万4400円(869万0100円)
55~59歳 584万2600円(835万6000円)
60~64歳 430万1700円(569万2200円)
出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より算出
※平均年収はきまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出。数値は男女計、(かっこ)内は大卒男性の場合
また金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年』によると、金融資産保有額から借入金を引いた純資産額は、多くが住宅ローンや教育費に目途がつくであろう50代ではじめてプラス。60代で大きく増えていることから、年収もピークに達する50代は、「老後を見据えた資産の増やし時」、といえるでしょう。
【年齢別「純資産額」の推移】
「20歳代」-186万円
「30歳代」-1776万円
「40歳代」-1046万円
「50代」368万円
「60歳代」1054万円
出所:金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年』より、各年齢平均値より算出
まさに人生史上、最も脂がのっているといえる50代。一方で同調査では「貯蓄ゼロ(運用するためもしくは将来に備えるためのお金がない)」と回答したのが50代で13.3%、60代で18.3%となっています。資産形成が進められずに定年を迎えてしまった……そんな人たちが一定数いるということでしょう。
定年を迎え、年金が大きな支えとなる老後。老若男女、不安を覚えるのは当然のことですが、老後を直前に控えて「貯蓄ゼロ」という層が、50代で「経済的なゆとりと⾒通しが持てない」という割合を押し上げていると推測されます。
できれば、少しでも不安を減らして年金生活を迎えたいもの。そのためにできることは、早め早めの資産形成といえそうです。