「名古屋」駅前の台頭、復権を目指す「栄地区」
愛知県の2021年最新の公示地価を見ていくと、地価平均は68万7924円 /坪で、東京都、大阪府、京都府、神奈川県に次ぐ、全国第5位。変動率は前年比 1.17%の下落で、全国43位。コロナ禍、全国的に地価が下落傾向にあるなかでも、愛知県は下落が顕著な地域のひとつでした。
2021年、愛知県で最も地価が高かったのが、名古屋市の表玄関であり、中京圏のターミナルである「名古屋」駅東側の「名古屋市中村区名駅4-7-1 」で、平米単価は1820万円。前年比-1.62%の下落でした。
「名古屋」駅の東側では、1999年に「JRセントラルタワーズ」が開業。核テナントの「ジェイアール名古屋タカシマヤ」は日本で4番目の売上を誇る、地域一番店。ほかにも、近鉄パッセ・「名鉄百貨店本店」や「近鉄パッセ」などの商業施設や広大な地下街があり、同市の栄と並ぶ繁華街を形成しています。
一方で第3位は「名古屋市中区栄3-5-1」。平米単価は1080万円で、前年比-6.9%と大幅な下落となりました。前出の「JRセントラルタワーズ」開業以降、「名古屋」駅周辺が台頭。今後もリニア中央新幹線の開業も予定され、注目度はうなぎ上りという状況です。それにより栄地区の地位低下がいわれてきましたが、再開発計画が目白押し。昨年は名古屋を代表する公園である「久屋大通公園」に、商業施設「RAYARD Hisaya-odori Park」が誕生。新たに賑わいの拠点が誕生しました。今後も「中日ビル建替え」や「錦三丁目25番街区再開発」など注目プロジェクトが多数控えています。
用途地域を住宅地に絞って見ていきましょう。最も平米単価が高かったのは「名古屋市中区栄2」で、平米単価146万円。名古屋市営地下鉄の東山線と鶴舞線が乗り入れる「伏見」駅から徒歩7分ほど、中高層のマンションや事務所が混在する地域で、名古屋市の住宅地域の地価としては頭ひとつ抜けているような地区です。栄地区の繁華街も生活圏内にする利便性が魅力です(関連記事:『【2021年】愛知県「住宅地地価ランキング」価格&上昇率ベスト100』)。
続いて2位は「名古屋市中区丸の内3」で、平米単価は99万円。市営地下鉄名城線と桜通線が乗り入れる「久屋大通」駅から徒歩7分、中高層のマンションや事務所が混在する地域です。丸の内地区は名古屋城の南側に位置する、名古屋を代表する金融街・ビジネス街の1つ。広義で栄地区と呼ばれることもあるエリアで、生活利便性は抜群です。
上位100位を見てみると、39位に一宮市、97位に刈谷市が入るのみで、他は名古屋市が独占しています。
【愛知県住宅地の地価ベスト10(住宅地)】
1位 愛知県名古屋市中区栄2-6-17(1,400,000円)
2位 愛知県名古屋市中区丸の内3-8-1(990,000円)
3位 愛知県名古屋市東区泉1-5-26(950,000円)
4位 愛知県名古屋市中区栄5-1-20 (868,000円)
5位 愛知県名古屋市中区上前津2-12-9 (640,000円)
6位 愛知県名古屋市東区白壁4丁目89番(638,000円)
7位 愛知県名古屋市東区橦木町3丁目4番(565,000円)
8位 愛知県名古屋市東区代官町27-30(546,000円)
9位 愛知県名古屋市東区白壁3-18-24(422,000円)
10位 愛知県名古屋市千種区清住町2丁目38番1(383,000円
出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より
(かっこ)内は㎡単価