日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「宮城県の最新の公示地価」。どれくらいの地価なのか、これからマイホームを夢見る会社員には気になるところ。注目地点の地価を見ていきましょう。
宮城県の地価ランキング…全国で軒並み下落も、なぜ「仙台市」では上昇? ※画像はイメージです/PIXTA

宮城の地価…東北6県の中心地「仙台」周辺で強い存在感

宮城県の2021年最新の公示地価を見ていくと、地価平均は47万400円/坪で、47都道府県で第10位。コロナ禍で全国的に地価が下がるなか、宮城県では前年比1.09%の上昇。公示地価が上昇した自治体は全国で8地域しかなく、宮城県はそのなかのひとつ。全国で4番目の上昇幅を記録しました。

 

そのようななか、2021年、宮城県で最も地価が高かったのが、JR「仙台」駅西口前の商業地「仙台市青葉区中央1丁目」で、平米単価は416万0000円。前年比3.50%の上昇でした。

 

コロナ禍では三大都市圏の地価が大きく下落する一方、札幌、福岡、広島、仙台と地方の拠点となる4都市の地価は底堅い需要から顕著に推移。仙台市の中心部では、「せんだい都心再構築プロジェクト」がスタート。老朽化したビル等の建て替えによる高機能オフィスの整備と、企業誘致の促進を目指すもので、同プロジェクトの助成第1弾である「NTT仙台中央ビル」のほか、2017年2月に閉店した「さくら野百貨店仙台店」の跡地開発、仙台市新本庁舎建て替えなど、大型プロジェクトが目白押し。地価上昇の要因のひとつになっています。

 

用途地域を住宅地に絞って見ていきましょう。最も平米単価が高かったのは「仙台市青葉区錦町1丁目」。地下鉄南北線「勾当台公園」駅まで徒歩9分、「仙台」駅からも徒歩圏内という、アパートやマンションが混在する住宅地。「勾当台公園」駅の副駅名が「県庁 市役所前」であることから分かる通り仙台市の行政地域であり、駅の南には繁華街の一番町で、歓楽街の国分町にも近接。仙台中心街を生活圏内にするという利便性が魅力の地域です(関連記事:『【2021年】宮城県「住宅地地価ランキング」価格&上昇率ベスト100』)。

 

続いて2位は「仙台市宮城野区小田原弓ノ町102番」。「仙台」駅の東口から徒歩15分、幹線道路沿いに中高層のマンションが並ぶ住宅地域です。宮城野区は仙台市の北東部、区の東側は仙台湾に面し、大震災の際には津波で大きな被害を受けました。「仙台」駅東側は古い町並みが残るエリアでしたが、新幹線駅開業とともに、区画整理が行われ、高層建築物が林立するように。また区内にはJR東北本線や仙石線、地下鉄東西線が走り、交通至便なエリアとして人気になっています。

 

ほかトップ100を見てみると、62位と98位に名取市、95位に多賀城市がランクインするほかは、すべて仙台市。宮城県はもちろん、東北6県の中心である仙台市のポジションを物語っています。

 

【宮城県住宅地の地価ベスト10(住宅地)】

1位 宮城県仙台市青葉区錦町1-1-30(416,000円)

2位 宮城県仙台市宮城野区小田原弓ノ町102番16(410,000円)

3位 宮城県仙台市青葉区上杉5-6-8(350,000円)

4位 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町5-40(296,000円)

5位 宮城県仙台市青葉区広瀬町5-12(270,000円)

6位 宮城県仙台市青葉区大手町6-26(270,000円)

7位 宮城県仙台市青葉区土樋1-9-14(257,000円)

8位 宮城県仙台市青葉区柏木1-4-1(256,000円)

9位 宮城県仙台市青葉区上杉6-6-20(248,000円)

10位 宮城県仙台市泉区泉中央3丁目27番12(242,000円)

 

出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より

(かっこ)内は㎡単価