宮城県の住宅地地価…上昇率で注目のエリアは?
前年との変動率で、注目のエリアを見ていきます。トップは「名取市手倉田字堰根」で前年比5.8%の上昇。2位も同市からで「名取市上余田字千刈田」で前年比5.7%の上昇となりました。名取市は仙台市の南東に隣接する都市で、仙台空港がある街としても知られています。
仙台市のベッドタウンとして1980年ごろから人口増加が顕著になったエリアですが、太平洋岸は大震災で壊滅的な被害を受けました。震災後は復興需要のほか公共事業が増加。それにより、仙台市に隣接する名取市への転入が相次ぎ、近年は人口増が顕著。地価上昇の要因になっています。
また4位、5位にランクインしたのが「黒川郡大和町」の新興住宅地。仙台市の北部に位置し、ベッドタウンとして注目されている地域。トヨタ自動車東日本が東富士工場(静岡県裾野市)を閉鎖し、生産を宮城工場などに集約することになったことで、地価が上昇傾向にあります。
【宮城県住宅地の地価対前年変動率ベスト10(住宅地)】
1位 宮城県名取市手倉田字堰根706番(5.8%)
2位 宮城県名取市上余田字千刈田803番6(5.70%)
3位 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町5-40(5.70%)
4位 宮城県黒川郡大和町吉岡まほろば2丁目17番13(5.70%)
5位 宮城県黒川郡大和町もみじケ丘1丁目21番5(5.60%)
6位 宮城県宮城郡利府町中央2丁目5番3(5.50%)
7位 宮城県黒川郡大和町吉岡字西原9番11(5.50%)
8位 宮城県仙台市太白区茂庭字大沢5番3(5.30%)
9位 宮城県仙台市青葉区上杉6-6-20(5.10%)
10位 宮城県富谷市日吉台3丁目6番9外(5.10%)
出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より
(かっこ)内は対前年変動比
コロナ禍、地価上昇をキープした数少ない地域である宮城県ですが、その原動力になっているのが県庁所在地である仙台市です。特に「仙台」駅周辺は、東北一の繁華街。徒歩圏内には大都市の中心部を生活圏内にできる住宅地が広がっており、特に単身者を中心に人気を集めています。大震災で影響を受けた沿岸部は、復興需要はひと段落し、地価は下落傾向。一方で仙台市からも近い内陸部は、現在も転入が顕著で、地価上昇の要因になっています。