日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「福岡県の最新の公示地価」。どれくらいの地価なのか、これからマイホームを夢見る会社員には気になるところ。注目地点の地価を見ていきましょう。
福岡県の地価ランキング…人口160万人突破「福岡市」の無双状態 ※画像はイメージです/PIXTA

中心地で再開発進む「福岡市」の独り勝ち

福岡県の2021年最新の公示地価を見ていくと、地価公示価格平均値は59万6046円 /坪で、全国では6位。コロナ禍で全国的に地価が下落傾向にありましたが、福岡県では前年比+1.86%と、全国でトップの上昇率を記録しました。

 

そのようななか、2021年、福岡県で最も地価が高かったのが、九州最大の繁華街「天神」の一画である「福岡市中央区天神1丁目」。2位はJR「博多」駅前で、3位は再び天神地区で「福岡市中央区天神2丁目」。

 

JR「博多」駅と「天神」駅は2㎞ほど離れていて、市の中心といえば天神地区。渡辺通り沿いに多くの商業施設が建ち並び、三越伊勢丹グループである岩田屋や、福岡三越、大丸といった百貨店のほか、数多くの路面店が集積しています。

 

そんな天神地区で進行中なのが、官民による大規模再開発プロジェクトである「天神ビッグバン」。アジアの拠点都市としての機能を高めようとするプロジェクトで、国家戦略特区による「航空法高さ制限の特例承認」や福岡市独自の容積率緩和制度などを組み合わせた再開発が至る所で進行中です。対象となる半径500mの範囲では40以上の建築申請があり、30以上が完成済み。再開発でエリアの価値が上昇するに伴い、地価も上昇。福岡県の地価上昇を先導しています。

 

用途地域を住宅地に絞って見ていきましょう。最も平米単価が高かったのは「福岡県福岡市中央区大濠1丁目」。福岡市地下鉄空港線「唐人町」駅から徒歩10分ほど、大規模一般住宅、マンションが混在する住宅地域。福岡市民に愛される大濠公園にも近く、住みたい街としても人気のエリアです(関連記事:『【2021年】福岡県「住宅地地価ランキング」価格&上昇率ベスト100』)。

 

ランキングを見ていくと、50位までに福岡市以外に登場するのは、44位 「春日市春日原南町4丁目」のみ。さらに100位まで範囲を広げても、58位「大野城市栄町3丁目」、70位「春日市光町2丁目」のほか、74位、75位、78位、88位以外はすべて福岡市内がずらり。

 

ちなみに、福岡県には福岡市のほかに、北九州市も大都市として知られていますが、住宅地地価ランキングでは148位「北九州市戸畑区天籟寺1丁目」が最高位。福岡市の一人勝ち状態です。

 

【福岡県住宅地の地価ベスト10(住宅地)】

1位 福岡県福岡市中央区大濠1-13-26 (825,000円)

2位 福岡県福岡市中央区今泉2-1-40 (595,000円)

3位 福岡県福岡市中央区薬院4-17-20 (560,000円)

4位 福岡県福岡市中央区赤坂2-2-11 (528,000円)

5位 福岡県福岡市中央区草香江2-12-16(513,000円)

6位 福岡県福岡市早良区西新2-11-9(505,000円)

7位 福岡県福岡市早良区高取2-5-10(474,000円)

8位 福岡県福岡市中央区荒戸3-5-51(458,000円)

9位 福岡県福岡市中央区六本松4-5-18(428,000円)

10位 福岡県福岡市早良区城西1-1-28(420,000円)

 

出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より

(かっこ)内は㎡単価