コロナ禍のコミュニケーション不足…新たな打開策で解消
また、ウィズ・コロナによって、新たな課題が増えたとも思っている。組織運営の複雑さが増したのだ。
ローカルコミュニケーションの組織運営にリモートコミュニケーションの組織運営が加わったことで、特に新参画者のオンボーディング(組織の受け入れ、定着、戦力化)が難しくなった。以前は、「社員が集合すること」自体がオンボーディングの大きな役割を担ってきたところがあったが、今はそれを失った。
入社はすれど、出社をしないことすらある。だからこそ、そのための新たな打ち手が必要となるわけだ。
「組織の動態論」同様、新たに生まれた組織の複雑性を踏まえて、手を打っていかなければならない。
僕が参画させてもらっている企業の多くは、すでにオンボーディングへの対策を講じていて、それぞれの企業が、それぞれの個性や考え方に基づいて実行している。たとえば、その中のひとつに、雑談をしながらウォーキングをする「ウォーキングチャット」がある。
スラックなどに雑談ルームなどを設けている企業は多いとは思うが、「さぁ、みんなで雑談をしましょう」といわれてもなかなかできるものではない。
そのため、運動不足になりがちなコロナ禍で社員の健康促進も兼ねて、ウォーキングと雑談を組み合わせた仕組みを作ったのだ。多くの社員が週1回は参加している。こうした、各社各組織の創意工夫が求められていくだろう。
過去の失敗が、未来の成功への打ち手となる。
重ねてきた失敗のパターンを知ろう。
守屋 実
株式会社守屋実事務所
代表