日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「埼玉県の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
埼玉の会社員、平均年収466万円…「夫婦で稼いでしっかり貯める」堅実な平均像 ※画像はイメージです/PIXTA

埼玉県「市町村別平均年収」…トップは県都「さいたま市」

総務省『令和2年国勢調査(速報)』によると、埼玉県の人口は734万6836人。5年前の調査と比べて8万302人、割合にして1.1%の人口増となりました。全国的に人口減の傾向が強まるなか、人口が増えている数少ない県です。

 

世帯数は297万1659世帯で、5年前から6.11%増を記録。 平均世帯構成人数は2.32人と、全国平均2.27人を上回っています。

 

そんな埼玉県の年収事情を見ていきましょう。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、埼玉県の会社員の月収(所定内給与)は30万1500円で、推定年収(きまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出)は466万6000円。47都道府県のなかでは、第12位です。

 

男女別にみると、男性会社員の月収は32万7400円、推定年収は512万9000円、女性会社員の月収は25万1100円で、推定年収は376万5000円です。

 

年齢による男性会社員の平均年収の推移を見ていくと、年齢と共に年収はぐんぐん上がっていき、定年前の50代後半で617万7000円に達します。20代前半の全国平均は325万6000円なので4万円ほど上回っていますが、以降は下回り、50代前半で最大80万円強の格差が生じています。

 

【埼玉県の男性会社員の年収推移】

「20~24歳」 329万8000円(325万5000円)

「25~29歳」 398万0000円(385万8000円)

「30~34歳」 453万4000円(430万2000円)

「35~39歳」 519万8000円(482万6000円)

「40~44歳」 543万2000円(494万2000円)

「45~49歳」 593万8000円(526万5000円)

「50~54歳」 597万6000円(534万8000円)

「55~59歳」 617万7000円(543万1000円)

「60~64歳」 453万9000円(426万0000円)

「65~69歳」 353万3000円(344万7000円)

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より作成

(かっこ)内金額は男女計

 

さらに総務省の「令和2年度課税標準額段階別所得割額等に関する調」で、埼玉県内の市町村別の年収事情を見ていきましょう。トップは「さいたま市」で395万6730円。続いて「和光市」382万5053円、「朝霞市」375万6666円、「志木市」372万5666円、「戸田市」370万1642円と続きます(関連記事:「埼玉県・市町村別『平均年収』ランキング」)。

 

県庁所在地であり、規模も大きい「さいたま市」がトップではありますが、突出しているというわけではないのが埼玉県。より東京(都心)との結びつきが強いエリアが上位にランクインする傾向にあります。