平均年収の2/3に満たない「低所得者」の割合は?
――日本では貧困化が進んでいる
そんなことを耳にしたこともあるでしょう。いたって普通に日常を送っている人にとっては、いまいちピンとこない言葉かもしれません。
OECDが主要国の常勤雇用者、つまりフルタイムで働いている人の低所得者比率(平均所得の2/3に満たないものの比率)をまとめたところ、トップは「米国」で23.38%。5人に1人以上が平均所得の2/3に満たない人たちです。「イスラエル」22.41%、「ラトビア」21.93%、「リトアニア」21.63%、「ポーランド」21.11%と続きます。
では日本は、というと、40ヵ国中26位で11.79%。日本の低所得者率は主要国の中では高いというほどではありません。
【世界主要国の常勤雇用者の低所得者比率(2019年)】
1位 米国 23.38%
2位 イスラエル 22.41%
3位 ラトビア 21.93%
4位 リトアニア 21.63%
5位 ポーランド 21.11%
6位 ルーマニア 20.78%
7位 カナダ 20.68%
8位 ブルガリア 20.42%
9位 ハンガリー 20.26%
10位 チェコ 18.36%
……
26位 日本 11.79%
出所:OECD
低所得者率の推移を時系列で振り返ると、バブル後期の1990年は17.62%。それから10年後の2000年には14.57%に低下。そしてリーマンショック後の2010年は14.48%、2015年には13.46%と、幅はあるものの、この30年ほどで低所得者者の割合は減少の一途を辿っています。
【日本における常勤雇用者の低所得者比率の推移】
1990年 17.62%(5ヵ国中3位)
1995年 15.36%(8ヵ国中6位)
2000年 14.57%(12ヵ国中11位)
2005年 16.10%(35ヵ国中20位)
2010年 14.48%(40ヵ国中26位)
2011年 14.40%(40ヵ国中26位)
2012年 14.29%(40ヵ国中25位)
2013年 14.23%(40ヵ国中25位)
2014年 13.91%(40ヵ国中24位)
2015年 13.46%(40ヵ国中26位)
2016年 12.65%(40ヵ国中26位)
2017年 12.32%(40ヵ国中25位)
2018年 12.12%(40ヵ国中25位)
2019年 11.79%(40ヵ国中26位)
出所:OECD