日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「埼玉県の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
埼玉の会社員、平均年収466万円…「夫婦で稼いでしっかり貯める」堅実な平均像 ※画像はイメージです/PIXTA

家計調査で明らかになった埼玉県・勤労世帯の家計

そんな埼玉県の人々の平均的な暮らしぶりを、総務省『家計調査家計収支編2020年』で二人以上世帯/勤労世帯で見ていきましょう。

 

埼玉県の勤労世帯(世帯人員3.29人、世帯主年齢48.6歳)の持ち家率は82.6%。全国平均80.1%よりも若干高く、持ち家志向の多い傾向にあります。また配偶者(女性)の有業率は56.5%。全国平均54.7%に比べてこちらも若干高く、共働き世帯の多い地域といえるでしょう。平均世帯収入は75万0325円。そのうち世帯主(うち男)に限ると月収50万円を超え、配偶者(うち女)も全国平均を3万円強上回ります。同調査では東京の世帯年収(74万0485円)を超えており、夫婦ともに力を合わせて家計を支える埼玉県の平均的な世帯の姿が垣間見ることができます。

 

衣食住などにかかる支出は36万円強。全国平均程度の項目が多いなか、「交通・通信費」は全国平均よりも2万円ほど高いのが目立ちます。東京を中心に通勤・通学で県外に移動するケースが多いことが要因のひとつだと推測されます。また「教育費」も全国平均を2万円弱上回り、教育熱が高いことがうかがえます。

 

【埼玉県の勤労世帯家計の平均値】

■実収入 75万0325円(6万953円)

「世帯主の収入(うち男)」53万7593円(4万1032円)

「世帯主の配偶者の収入(うち女)」11万8598円(8万7666円)

■実支出 50万0980円(41万6707円)

「消費支出」36万9498円(30万5811円)

 食料 9万0397円(7万9496円)

 住居 1万8353円(1万8824円)

 光熱・水道 2万1461円(2万1696円)

 家具・家事用品 1万3908円(1万3364円)

 被服及び履物 1万5571円(1万0654円)

 保健医療 1万3571円(1万3068円)

 交通・通信 6万9035円(4万9469円)

 教育 3万3453円(1万6548円)

 教養娯楽 3万5496円(2万6824円)

 その他の消費支出 5万8253円(5万5868円)

「非消費支出(直接税、社会保険料等」13万1482円(11万0896円)

 

出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』二人以上世帯/勤労世帯より

※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても実収入、実支出にはならない

※(かっこ)ない数値は全国平均

 

また所得から税金や保険料などを引いた手残りである可処分所得から消費支出を引いた、黒字額は24万9346円(全国平均19万2828円)で、黒字率は40.3%(全国平均38.7%)。世帯収入が多い一方で、平均以上に貯蓄をする……と堅実派が多いのが埼玉県の特徴です。

 

おもしろおかしく語られることも多い埼玉県。しかしその家計運営はなかなかのもの。「しっかり稼いでしっかり貯める」……将来を見据えてしっかりと資産形成を進める、そんな埼玉県民の平均像が見えてきました。