「英文を書くのに時間がかかりすぎる」「要旨がぼやけてしまう」…そんな悩みを解消する、英語を使ったEメール作成の基本について解説します。 ※本記事は、ビジネス英語研修会社Q-Leap代表取締役社長・浅場眞紀子氏の著書『英文Eメールハンドブック』(アルク)より一部を抜粋、再編集したものです。
ビジネス英語メールのコツ、「1文はできるだけ短く」であるワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

②トピックセンテンスの作り方

 

トピックセンテンスに必要なものは2つあります。「トピック(=メールで最も伝えたい内容、主に主語になるもの)」と「コントローリングアイデア(=トピックをどう伝えるか。動詞や形容詞にあたるところなど)」です。

 

トピックとはそのメールを通して中心の話題となるもので、トピックセンテンスの主語や目的語であることも多いです。コントローリングアイデアはトピックに対する書き手の意見、説明、描写、行動などを表す部分です。

 

メールを書きだす前にトピックとコントローリングアイデアをしっかり固めておく(書き出さないまでも意識する)ことで、あなたが送ろうとしているメールの目的と役割をぶれずに読み手に伝えることができるでしょう。

 

重要なのは、余分な情報をギリギリまでそぎ落としてシンプルな文にすることです。1文はできるだけ短く、単文なら10語程度、重文や複文でも15語程度に収めましょう。

 

例えば、「商品の発送が1週間遅れます」と連絡する場合、言いたい内容は以下のように分割することができます。理由は同じ文に盛り込むことも可能ですが、文法知識に自信がない場合は安全のため別の文にするといいでしょう。短い文の方が間違いを最小限に抑えられる上、読み手にとっても理解しやすいはずです。

 

(頭に浮かんだ日本語のトピックセンテンス)

「現在在庫切れのため発注番号5011の発送が1週間遅れています」

トピック:商品の発送 the shipping of PO No.5011

コントローリングアイデア:遅れています has been delayed

付加情報(ここでは期間):1週間 for a week

トピックセンテンス:The shipping of PO No.5011 has been delayed.

 

これさえ書ければこのメールの目的の大半は達成されますが、「どれほど遅れるのか」「理由は何か」を加えられればさらに明瞭で分かりやすいメールになります。必要な付加情報は「前置詞+名詞」で簡単に加えることができます。

 

The shipping of PO No.5011 has been delayed for a week.

(発注番号5011の発送は1週間遅れています)

 

英文メールを書く際にあなたが日本語で考え始めるのか、英語で考え始めるのかに関係なく、最も大事なことは「1文しか書けないとしたら何を書くのか」そして「その1文が明瞭かつ具体的で相手に意図がきちんと伝わるか」です。

 

あなたの書いた文が英語として多少不自然だったとしても、まずはメールの目的を相手に伝えることを心掛け、それがきちんとできるようになってから「自然な表現」「より丁寧な表現」などに気を配れるようになるといいでしょう。

 

 

浅場 眞紀子

ビジネス英語研修会社Q-Leap 代表取締役社長