日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「千葉県の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
千葉県の会社員「平均年収475万円」…高い共働き率で「貯蓄よりも消費」の県民性 ※画像はイメージです/PIXTA

家計調査で明らかになった千葉県・勤労世帯の家計

そんな千葉県の人々の平均的な暮らしぶりを、総務省『家計調査家計収支編2020年』で二人以上世帯/勤労世帯で見ていきましょう。

 

千葉県の勤労世帯(世帯人員3.38人、世帯主年齢50.9歳)の持家率は78.6%で、全国平均(80.1%)と同程度。配偶者(女性)の有業率は61.3%。全国平均54.7%に比べて7ポイント程度高く、共働きの多い地域です。平均収入は69万4203円。そのうち世帯主(うち男)の月収は全国平均よりも7万円強、配偶者(うち女)の月収も全国平均よりも2万円強高く、「よく働き、よく稼ぐ」という千葉県の夫婦像が見えてきました。

 

衣食住などにかかる支出は35万円強。「消費性向(消費の所得に対する割合)」 は全国平均61.3に対して62.7と、若干ではありますが消費志向が強い傾向にあります。

 

【千葉県の勤労世帯家計の平均値】

■実収入 69万4203円

「世帯主の収入(うち男)」48万6643円

「世帯主の配偶者の収入(うち女)」11万2425円

■実支出 48万4876円

「消費支出」35万2524円

 食料 8万9620円

 住居 2万9423円

 光熱・水道 2万2201円

 家具・家事用品 1万2066円

 被服及び履物 1万2831円

 保健医療 1万5486円

 交通・通信 4万8422円

 教育 3万3750円

 教養娯楽 1万5297円

 その他の消費支出 5万7514円

「非消費支出(直接税、社会保険料等」13万2353円

 

出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』二人以上世帯/勤労世帯より

※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても実収入、実支出にはならない

 

また所得から税金や保険料などを引いた手残りである可処分所得から消費支出を引いた、黒字額は20万9327円(全国平均19万2828円)で、黒字率は37.3%(全国平均38.7%)。夫婦共働き世帯が多い地域なので「貯蓄よりも消費」という傾向が強いようです。

 

全国的にも人口増加の傾向にある千葉県。若い層の流入が多く、その分、消費も押し上げている……日本のなかでも元気な地域だといえるでしょう。