日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「千葉県の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
千葉県の会社員「平均年収475万円」…高い共働き率で「貯蓄よりも消費」の県民性 ※画像はイメージです/PIXTA

市町村別平均年収…1位は「マリナーゼ」で知られる街

総務省『令和2年国勢調査(速報)』によると、千葉県の人口は628万7034人と全国6番目の規模。世帯数は276万6999世帯で、6.05%増を記録しました。

 

人口は5年前の調査と比べて1.03%の人口増。全国的に人口減の傾向が強まるなか、人口増加幅が拡大している数少ない地域に数えられます。また「人口増減数の大きい市町村」としても、千葉県からは「流山市」( 全国8位)、「船橋市」(全国10位)、「市川市」(全国12位)、「松戸市」(全国15位)、「柏市」(全国18位)と、トップ20に5市がランクインしています。

 

そんな千葉県の年収事情を見ていきましょう。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、千葉県の会社員の月収(所定内給与)は、30万2100円で、推定年収は475万6000円。47都道府県のなかでは第9位。関東圏では、「東京都」「神奈川県」「茨城県」に続く、第4位です。

 

男女別にみると、男性会社員の月収は33万1000円、推定年収は531万9000円、女性会社員の月収は25万0700円で、推定年収は376万円。男性の月収を100とすると、女性の月収は75.7。全国的平均は74.3なので、男女の給与格差は全国並みです。

 

年齢による男性会社員の平均年収の推移を見ていくと、年齢と共に年収はぐんぐん上がっていき、50段前半で629万4000円に達します。一方女性会社員もピークは50代前半で416万1000円。全行的な傾向と同様、結婚・出産のタイミングで男女の給与差はぐんと大きくなり、定年間近にその差は縮小します。

 

【千葉の男性会社員の年収推移】

「20~24歳」 333万2000円(310万1000円)

「25~29歳」 419万5000円(379万9000円)

「30~34歳」 489万7000円(377万0000円)

「35~39歳」 533万4000円(388万7000円)

「40~44歳」 560万3000円(394万2000円)

「45~49歳」 620万8000円(392万9000円)

「50~54歳」 629万4000円(416万1000円)

「55~59歳」 452万3000円(399万5000円)

「60~64歳」 373万5000円(344万5000円)

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より作成

(かっこ)内金額は女性

 

さらに総務省の「令和2年度課税標準額段階別所得割額等に関する調査」で、千葉県内の市町村別の年収事情を見ていきましょう(関連記事:「千葉県・市町村別『平均年収ランキング』」)。

 

第3位は県都である「千葉市」で400万7177円。市内には大手企業の支店、支社も多く、平均年収は高めです。

 

続く2位は「流山市」で401万4687円。流山市は県北西部に位置し、東京のベッドタウンとして発展してきた街です。つくばエクスプレスの開業後、住みたい街ランキングでも上位にランクインするなど、注目を集める地域。都心への通勤するファミリー層を中心に流入が続き、平均年収を押し上げています。

 

1位は「浦安市」で457万8542円。東京都江戸川区に隣接し、お馴染みのテーマパークがあることでも知られています。2000年代初頭に「新浦安」駅周辺に住むマダムを「マリナーゼ」と称して話題になりました。高層マンション群に年収の高い会社員層が多く居住していることから、平均年収も千葉県下でダントツの1位となっています。