西日本で最難関の誰もが知る超名門私立、灘中学校…この「灘中」に合格する子どもは、ほかの子どもたちと何が違うのか。本記事では、灘中合格者数16年連続1位を誇る塾浜学園の塾長である橋本憲一氏がこれまでの経験から感じた、灘中に「受かる子」と「落ちる子」の間にある学力以外の差について解説します。※本連載は橋本憲一氏の著書『灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか: ワンランク上の志望校に受かるための能力と習慣』(ポプラ社)より、一部を抜粋・再編集したものです。
灘中に「受かる子」と「落ちる子」にある学力以外の決定的な差

中学受験に強い子どもが身につけている「考え方」とは

ほかにも、短時間学習のメリットは、小学生の体力的な問題です。小学生の場合、高校受験を控えた中学生や大学受験に向かう高校生と違い、同学年のなかでの体格差や体力差の幅がまだ非常に大きいのです。

 

身長や食欲もそうですが、同じ小6生でも夜11時まで起きていられないという子どももいれば、大学受験の浪人生のように睡眠不足による頭痛に耐えながら、深夜1時、2時まで頑張るという子どももいます。

 

しかし、睡眠不足の状態で無理をしすぎれば、必ず限界がきます。現時点の学力が高くても、その子どもはいっぱいいっぱいになっているわけですから、余力を持っているライバルにいつか追いつかれ、追い越されてしまいます。

 

高いレベルの学校に合格する子どもというのは、小6生であっても自分の体力や精神状態について自分なりに気遣う部分を持っています。

 

「宿題が残っていても睡眠時間はとらなきゃいけない」とか、帰宅しても「テレビの時間を削って夜10時半には寝よう」とか、子どもなりにではありますが、自ら意識して生活リズムを勉強に直結させる考え方が身についている子どもというのは中学受験でもすごく強いのです。

 

ですが、小学生に自分の体力や精神状態を自己管理しろというのは難しい話です。短時間で質のよい勉強をすることを軸に、健康管理を含め、ご両親にバックアップしていただきたいと思います。