会社員の「平均生涯賃金」は何億円か?
連日、熱戦が繰り広げられている東京オリンピック。メダルラッシュに沸いていますが、そのようななか、スケートボード男子ストリートで初代金メダリストになった堀米雄斗選手が15歳だったときに「10億円稼ぐ」と宣言していたことが話題になりました。
日本では「スケートボード=スポーツ」という認識もまだまだ薄いですが、米国での愛好者は6000万人といわれ、巨額の大会賞金とスポンサー収入で、実際に10億円以上を稼ぐ選手も珍しくありません。
堀米選手も米国では、大リーガーの大谷翔平選手と同じくらい有名な日本人で、すでにトップスケーターとして人気を博しています。ロサンゼルスに購入した大豪邸はテレビで度々紹介され、まさにアメリカンドリームを実現した堀米選手の今後にも注目が集まっています。
そんなニュースに関連して多く見られたのが「何回人生を繰り返せば10億円を稼げるだろう……」という自虐的なつぶやき。
独立立行政法人労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2020』によると、生涯賃金(退職金は含まず)は、男性の場合、高卒で2億1000万円、大学・大学院卒で2億7000万円、女性の場合、高卒で1億5000万円、大卒・大学院卒で2億2000万円。約40年あまりの会社員人生、大卒男性であれば額面で毎年550万円程度をもらっている計算です。
退職金についてもみていきましょう。厚生労働省の『就労条件総合調査』(平成30年)によると、定年退職の際の退職金の平均額は、大学・大学院卒(管理・事務技術職)で1983万円、高校卒(管理・事務・技術職)で1618万円、高校卒(現業職)で1159万円。
給与と退職金を合わせて、大卒男性が人生で手にするのは3億円弱。会社員人生40年ほどだとすれば、120年以上会社員を続ければ、10億円稼げる計算です。
ただトップスケーターが10億円を稼ぐのは、生涯ではなく1年。仮に10年間、トップスケーターでいたとすると、100億円稼ぐことになりますから、単純計算、1000年ほど会社員として働けば、私たちはトップスケーターと肩を並べることができる、ということになります。