高齢化で「賃貸派の高齢者」は増加傾向にある
総務省『平成30年住宅・土地統計調査』によると、日本の持ち家率は61.2%。いつの時代でも「持ち家か、賃貸か」の議論に決着がつくことはありませんが、ここ40年近くは、持ち家派が6割前後と優勢です。
【持ち家率の推移】
1978年 60.4%
1983年 62.4%
1988年 61.3%
1993年 59.8%
1998年 60.3%
2003年 61.2%
2008年 61.1%
2013年 61.7%
2018年 61.2%
出所:総務省『平成30年住宅・土地統計調査』より
同じように、総人口に対し65歳以上が占める割合である高齢化率は、1980年9.1%から、2019年には28.4%に。10人に1人が高齢者だったのが、40年で4人に1人以上が高齢者、という状況になりました。
高齢者世帯(高齢者のいる世帯)に限ると、持ち家率は82.1%。平均値よりも20ポイント以上、持ち家率は高くなっています。
高齢者夫婦のみの世帯に限ると、持ち家率は87.4%。裏を返せば、8組に1組は賃貸派です。一方、単身高齢者に限ると持ち家率は66.2%。3人に1人は賃貸派となります。
都道府県別に見ていきましょう。賃貸派の高齢者世帯の割合が最も多いのは「大阪府」で36.3%。続いて「東京都」「沖縄県」「福岡県」「北海道」と続きます。「沖縄県」を除き、大都市を有する地域で賃貸派の高齢者世帯が多い傾向にあります(関連記事:『都道府県「高齢者世帯の賃貸率」ランキング』)。
【高齢者世帯に占める賃貸派の割合】
1位 大阪府 36.3%
2位 東京都 36.1%
3位 沖縄県 33.2%
4位 福岡県 29.5%
5位 北海道 25.9%
6位 愛知県 25.8%
7位 神奈川県 24.8%
8位 兵庫県 24.8%
9位 京都府 23.0%
10位 宮城県 22.6%
出所:総務省『平成30年住宅・土地統計調査』より
さらに単身高齢者に焦点を当ててみると、「大阪府」では2人に1人は賃貸派。また多少の順位の入れ替わりはあるものの、大都市を有する地域のほうが賃貸派が多い傾向にあるのは変わりありません。
【高齢単身者に占める賃貸派の割合】
1位 大阪府 48.8%
2位 東京都 45.2%
3位 沖縄県 42.8%
4位 福岡県 41.0%
5位 愛知県 38.0%
6位 北海道 37.0%
7位 兵庫県 36.2%
8位 神奈川県 35.8%
9位 宮城県 33.7%
10位 埼玉県 31.7%
出所:総務省『平成30年住宅・土地統計調査』より