共働きで夫婦ダブルの収入があると、安心感からお金を使いすぎてしまい、貯金ができていないことが意外と多いようです。本記事では、共働きの家計でつまずきやすいポイントとして、「節約」を巡って言い争いになってしまう夫婦の解決策を考えていきます。※本連載は、福島えみ子氏と江尻尚平氏の共著『お金が貯まる!世帯年収500万円から始める共働き夫婦の超効率家計簿』(徳間書店)より一部を抜粋・再編集したものです。
パートナーが節約に非協力的…共働き夫婦の不満【FPの解決策】 (※画像はイメージです/PIXTA)

客観的な「数字での目標」を夫婦の共通認識として持つ

【家計管理のつまずきポイント②】
ケンカになるからお金のことは口に出さない

 

先ほどは、自分だけが頑張っていて相手が家計の改善に協力してくれないという悩みでしたが、それをさらにこじらせたのが、「ケンカになるからお金のことは口に出さないようにしている」というものです。

 

2人で協力していこうと家計の話を切り出しても、面倒そうに話をそらされたりケンカになることが続くと、次第に家計の話題を避けるようになりがちです。

 

特に自分も毎日仕事で忙しく疲れているときなどは、ケンカになって気分が悪くなって時間も取られると思うと、ついついまた今度と先延ばしにしてしまうことも。

 

しかし、だからといってそのままでは、いつまでたっても思うような家計にはならず、「お金が貯まらないけど、このままで大丈夫?」と不安を抱えて過ごすことになります。それでは、せっかくの人生の時間がもったいないと思いませんか?

 

相手がお金の話になるとケンカ腰になってしまうというケース、じつは決して珍しいことではありません。

 

相談にいらして、このような悩みを口にされる方には、「よかったら次回はご夫婦でご一緒にお越しください、私のほうからお話しします」と伝えると、かなりの方が次は夫婦で来てくださいます。そして実際にお話しすると、第三者の話かつお金の専門家であるということで、聞く耳を持っていただけることが多いのです。

 

相談では、将来の老後のお金まで試算したうえで、「このままでは〇〇万円足りなくなるので、逆算すると、これからは年間につき〇〇万円程度は資産づくりをしていく必要があります。したがって、月々ではあと〇〇万円捻出できると、将来お金が足りない事態を避けられます。そのためには、今こうする必要があります」といった具体的数字をもとにお話をしていきます。

 

そうすると納得感を持って、ご自分から「では、〇〇してみようと思います」「この点を今度の週末2人で話し合ってみます」と、やる気になっていただけることが、ほとんどです。

 

誰の目にも明らかで客観的な「数字での目標」、これを夫婦の共通認識として持つことが一番です。

 

もしケンカになりそうと思うなら、数字をもとにした、何をどうすればいいのかを紙やノートに書いて相手に読んでもらうことでもよいのです。

 

あるいは、「将来、こういうふうでいたいよね」という将来を語って目的を同じくすることから始め、相手がそれに同調したら、すかさず数字を見せながら話をするという順序で話を進めると、スムーズに理解してもらえることも多いようです。

 

感情ではなく、数字に語らせる」、これがケンカを回避するコツといえます。

 

福島 えみ子

マネーディアセオリー株式会社 代表取締役

 

江尻 尚平

スマートアイデア株式会社 代表取締役