日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「会社員の転職」。ひと昔に比べて転職のハードルは下がったように思えますが、実際はどうなのでしょうか。
平均月給20万円の格差…「転職」で年収アップ狙うも3割は叶わず

会社員の給料事情…業界トップと最下位を比べると

――こんなに働いているのに、なんでこんなに給料が安いんだ

 

働いていると、様々なシーンで格差を感じるものですが、特に給料はまわりと比べてしまいがち。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(平均年齢43.2歳)の残業代などを除く平均月給(所定内給与額*)は30万7700円で、手取りにすると、23万円程度です。

 

【会社員の年齢別平均月給】

20~24歳:21万2000円

25~29歳:24万4600円

30~34歳:27万4400円

35~39歳:30万5200円

40~44歳:32万9800円

45~49歳:34万7400円

50~54歳:36万8000円

55~59歳:36万8600円

60~64歳:28万9300円

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より

※金額は所定内給与額

 

しかし企業別に見ていくと、「従業員10~99人企業」だと27万8000円、「従業員100~999人企業」だと30万2600円、「従業員1000人以上企業」だと33万8400円、と大企業と中小企業との給与格差は明確です。

 

さらに業種別に見ていきましょう。最も平均月給が高いのは「金融業、保険業」で47万9200円。一方、最も平均月給が低いのは「宿泊業、飲食サービス業」で27万8200円。業種の違いで20万円もの格差が生じています。

 

【会社員の業種別平均月給】

金融業、保険業:47万9200円

教育、学習支援業:42万9400円

学術研究、専門・技術サービス業:42万0900円

情報通信業:40万5000円

医療、福祉:35万4500円

卸売業、小売業:34万6100円

建設業:34万5500円

製造業:32万1800円

生活関連サービス業、娯楽業:30万0700円

運輸業、郵便業:28万5300円

宿泊業、飲食サービス業:27万8200円

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より

※金額は所定内給与額