日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「会社員の生涯賃金」。新卒から定年までに手にする給料、総額はいくらくらいになるのでしょうか。
会社員の「生涯賃金」…業種格差「2億8000万円」という哀しい現実

会社員、初任給は平均21万2000円

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、大学卒の場合の平均初任給は21万200円で、男性は21万2800円、女性は20万6900円。2011年の平均初任給は、大卒男性で20万300円、大卒女性で19万3500円だったので、この10年で1万円ほど増えたことになります。

 

企業規模別に見ていくと、「従業員1000人以上企業」の大卒初任給は、男性21万5900円、女性20万9700円、「従業員100~999人企業」は、男性21万1000円、女性20万5200円、「従業員10~99人企業」は、男性20万6000円、女性は20万1800円でした。

 

日本標準産業分類に基づく16大産業別に見ていくと、業界によっても初任給にはバラつきがあり、最も初任給が高いのは「学術研究、専門・技術サービス業*1」で22万7200円。一方で最も初任給が少ないのが「複合サービス事業*2」で18万4900円。

 

*1:自然科学研究所、法律・特許事務所、公認会計士・税理士、社会保険労務士事務所、広告業(広告代理、屋外広告)、獣医業等

*2:郵便局、農協、事業協同組合等

 

【16大産業別初任給】

「学術研究、専門・技術サービス業」227200円

「鉱業、採石業、砂利採取業」219800円

「情報通信業」218100円

「建設業」216700円

「不動産業、物品賃貸業」213900円

「卸売業、小売業」211000円

「教育、学習支援業」209400円

「生活関連サービス業,娯楽業」209000円

「金融業、保険業」207300円

「医療、福祉」206900円

「製造業」206600円

「サービス業(その他)」205300円

「電気・ガス・熱供給・水道業」202200円

「運輸業、郵便業」201500円

「宿泊業、飲食サービス業」200800円

「複合サービス事業」184900円

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より

 

初任給と一括りにいっても、事業規模や業界によってさまざまです。

 

初任給をもらったあと、会社員の年収は年齢と共に上がり、男性の場合は「50~54歳」で869万100円、女性の場合も「50~54歳」に607万3700円とピークを迎えます。

 

【大卒会社員年齢別平均年収】

■男性

20~24歳:334万0700円

25~29歳:440万4900円

30~34歳:523万4900円

35~39歳:610万3500円

40~44歳:687万6100円

45~49歳:758万6400円

50~54歳:869万0100円

55~59歳:835万6100円

60~64歳:569万2200円

■女性

20~24歳:322万3500円

25~29歳:397万4100円

30~34歳:439万4200円

35~39歳:476万9100円

40~44歳:500万9400円

45~49歳:540万5900円

50~54歳:607万3700円

55~59歳:591万0600円

60~64歳:455万2200円

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より