ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのマーケティングディレクターを務める秋山哲氏が執筆した『20年で元本300倍 お金が集まる5つの原則』(光文社)より一部を編集・抜粋し、「借金」が許されるのはどのようなときか、考え方の基準を見ていきます。
例外はない…「借金」をしても許される「たったひとつの状況」とは? (※写真はイメージです/PIXTA)

さらに、筆者が借金してまで住宅を購入する価値がないと考える理由はもう一つある。住宅を購入した場合は、ローンの返済や固定資産税などの費用がかかるので、返済期間中は賃貸よりも負担が大きくなるのが一般的だけれど、この多くかかる費用の金額分を、賃貸を継続しながら積み立て投資に回せば、住宅を購入するよりずっと大きな資産を築くことができるのだ。

 

おすすめは、知識と経験がまったくなくてもできる世界経済への積み立て投資だ。住宅を購入した場合に返済が終了する35年後には、平均的なケースの場合、積み立て投資で4700万円くらいの資産が築けていると予測できる。この資産の運用を続けると、生涯にわたって資産を減らさずに家賃が支払えるようになるのだ。

 

加えてその資産は、必要な老後資金の大きな助けにもなる。ここでは、賃貸にして、住宅を購入した場合のローン返済期間中に賃貸より多くかかる費用分を誰にでもできる投資に回せば、住宅を購入するよりも経済的な利益が得られて、住宅の不安も生涯なくなると覚えておいてほしい。

 

筆者は、25年以上ずっと賃貸マンションに住んでいるけれど、住宅を購入せずに世界経済への積み立て投資にお金を回したおかげで、いまは資産をまったく減らさずに投資の見返りだけで家賃を支払えている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、ゲストに興奮と感動を提供した対価として得た収入は、家賃以外の必要な生活費やほかのやりたいことに使えているのだ。

 

住宅のほかにも自動車、家具、家電、友人の結婚式など、お金が足りなくて借金を考えるときがあるかもしれない。そうしたときは、三つのムダづかいを思い出して、本当に必要なのか、借金以上の見返りがあるのかを考えてほしい。

 

借金をした金額以上の見返りが得られる場合は、借金をすべきだ。やりたい仕事ができるようになるために君自身へ投資するお金や、君が本当に大切な人のやりたいことを応援するために使うお金は、借金の金額以上の見返りを得られる可能性は高い。

 

仕事ができるようになって、君が提供できる価値がいまより大きくなれば、多くの人に喜んでもらえて収入も増加する。本当に大切な人のやりたいことを応援できた喜びにも、計り知れない価値がある。

 

しかし、こうした場合でも、借金の金額は将来の収入から返せる範囲内でなくてはならない。どのような生活をするかによって大きく異なるけれど、返済額は毎月の所得(手取りの収入)の10〜15%以内に収めるようにしよう。これ以上は君の生活を苦しめる可能性があるからだ。

 

この範囲内に収まらない場合は、もっと大きな価値をつくれるようになることにまず焦点を当て、収入を増加させるのだ。やりたいことができなかったり、大切な人を応援できなかったりするのは辛いけれど、その気持ちを原動力にして、もっと大きな価値づくりを目指してほしい。

 

秋山 哲

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

マーケティングディレクター