コロナ禍で「職住融合」がトレンドに

コロナ禍は不動産価格への影響だけでなく、住まいに求められるものにも影響を及ぼしている。リクルートホールディングスが毎年発表するトレンド予測の2020年版「住まい領域」では「職住融合」が取り挙げられた。本記事では職住融合とは何かといったことを解説していく。

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職住融合とは

職住融合とは、その名の通り職場と住居が融合していることを指します。

 

言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、政府が出した緊急事態宣言に対応するため企業が導入したリモートワークによるもので、要は自宅で仕事をする機会が増えたということだと考えるとよいでしょう。

 

 

2020年6月に東京商工会議所が公表したリモートワークの実施状況に関するアンケートによると、緊急事例発令期間のリモートワーク実施率は67.3%と前回調査同年比で41.3%増加していることが分かります。

 

また、経団連が2020年4月に実施した調査によると、リモートワークや在宅勤務の導入割合は実に97.8%に上っています。

 

東京商工会議所のデータにおいては、主に対象が中小企業、経団連のデータについては、主に対象が大企業だと考えると、中小企業でおよそ7割弱、大企業で9割後半の企業がリモートワークを導入していると見ることができます。

コロナ禍以前よりリモートワークは増えていた?

ところで、リモートワークは新型コロナウイルスにより頻繁にその言葉を目にする機会が増えましたが、実はコロナ禍以前より増加傾向にありました。

 

2017年に実施された通信利用動向調査によると、企業の13.9%で何らかのリモートワークが導入されていたことが分かります。

 

また、リモートワーク導入企業のうち在宅勤務の導入率は29.9%、モバイルワークの導入率は56.4%、サテライトオフィスの導入率は12.1%となっています。

 

新型コロナウイルスが収束すればリモートワークを導入していた企業も取りやめて、職住融合といったトレンドは一時の流行で終わる可能性があります。

 

しかし、もともとリモートワークが増加傾向にあったというデータを見てみると、コロナ禍でリモートワークを初めて導入した企業も、今後継続して導入する可能性も低くはないとも考えられるのではないでしょうか。

住まいに求められるものの変化

コロナ禍によりリモートワークを実施する企業が増えると、住まいに求められるものも変わります。

 

例えば、住んでいる方がDIYで自宅にワークスペースを設けるケースが見られる他、賃貸物件の大家さんも簡単なリフォームを実施して部屋の中にワークスペースを設けるといったことを行っているケースもあるようです。

 

その他、これまで気にしていなかった方も自宅で過ごす時間が増えたり、仕事をする機会が増えたりしたことで、自宅のインターネット環境について不満を持つ人も増えています。

 

株式会社リクルート住まいカンパニーが2020年4月に行った「新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態調査」によると、18%の人がネット環境が悪いと不満を持っていることが分かります。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、企業がリモートワークを実施したことで、職住融合がトレンドとなり、住まいに求められるものが変化しているということについてお伝えしました。

 

コロナ禍が収束後に全く元に戻るのかどうかについてははっきりしたことは分かりませんが、コロナ禍が不動産価格に与える影響を追うためには、このようなトレンドについて知っておくとよいでしょう。

 

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合同会社7pockets 代表社員

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、不動産を中心としたフリーライターとして活動を開始。現在合同会社7pockets 代表社員も務める。

著者紹介

連載新型コロナウィルスが不動産価格に与える影響とは

公開日時点の法令に基づき、不動産にかかわる資産形成について説明しています。個別の事例については、所定の要件を欠く場合があります。