オーナーの理想の暮らしをかなえるために、自宅を建て替え、賃貸経営をプラスする「自宅併用型賃貸住宅」は、オーナーごとの要望や事情を考慮して、最適なプランニングを行う。今回は「自宅併用型賃貸住宅」で、住み慣れた場所に住み続けることをかなえた5組のオーナーをみていこう。

自由なプランニングで、相続を見据えた建替えを実現

【事例③】相続しやすいよう1棟を2棟に…綿密な収支計画で建築費用を確保

都内の高級住宅地、800㎡の敷地に建つ邸宅のオーナーが、2人の子どもへの相続について考えはじめていたころ。そのときに出合ったのが「自宅併用型賃貸住宅」だった。

 

 

オーナーの希望は大きく「相続を見据えて建物は2棟にする」「自宅の建築費用は家賃収入でまかなう」「賃貸部は周辺の物件と差別化を図り、競争力のあるものにする」の3点。

 

そこで敷地と建物を均等に分け、賃貸住宅のみのA棟と、自宅と賃貸住宅兼用のB棟の2棟を建築。相続が発生した際には、分割しやすいようにした。

 

また周辺の賃貸物件は面積が広く賃料が高いため空室が目立つことに注目。合計6戸の賃貸部は面積を抑えつつ、上下階ひと家族で居住できるメゾネットタイプにして、高い家賃でも賃貸ニーズが見込める仕様にした。周辺の家賃相場よりも高額にも関わらず、建築中から入居希望者が殺到し、家賃収入で自宅の建築費用をまかなうというオーナーの希望をかなえた。

 

ゆとりある配棟と落ち着いた色合いが特徴のコンテンポラリーな外観
ゆとりある配棟と落ち着いた色合いが特徴のコンテンポラリーな外観

 

 

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取材・文/関根昭彦 撮影(人物)/杉能信介
※本インタビューは、2020年3月3日に収録したものです。