フィリピン株式投資…「バイ・アンド・ホールド」が有効な理由 左:『フィリピン株.com』編集長 /仁科剛平氏 右:ハロハロアライアンス・ディレクター/ 鈴木廣政

世界有数の成長国「フィリピン」において、日本の富裕層による不動産投資が人気だが、近年、新たに注目が高まっているのが「フィリピン株式投資」である。本連載では、フィリピン不動産をはじめ投資事情に詳しいハロハロアライアンス・ディレクター鈴木廣政氏と、『フィリピン株.com』の編集長 仁科剛平氏に、「フィリピン株式投資」の魅力について伺っていく。第4回目のテーマは「フィリピン株式投資でバイ・アンド・ホールドが有効な理由」である。

安全性が高いフィリピン総合指数採用銘柄

フィリピン株式への投資は、どのようなスタンスで行えばいいでしょうか。

 

株式投資に詳しくない方や、銘柄選び、株価チェックなど、売買に時間を割くことができない方は、前回の記事で書いた「国全体の経済成長に投資する」スタイルがいいでしょう。市場全体と連動するような銘柄ポートフォリオを組んで、5年~10年単位の長期で、配当金を受け取りながらずっと持ち続ける、いわゆる「バイ・アンド・ホールド」の戦略です。私は、成長する新興国への投資では、この戦略がもっとも確実性が高く、かつシンプルなので、多くの方にお勧めできると思います。

 

銘柄ポートフォリオについては、フィリピン総合指数(PSEi)採用の30銘柄を、均等に買うというのが、もっともわかりやすいでしょう。フィリピン株式市場は、各銘柄の最低購入価格が(日本円で見た時に)低いため、30銘柄全部を最低単位で買っても、30万円程度にしかならないので、簡単に実践できます。

 

また、フィリピン株式市場には272銘柄が上場されていますが、その中には流動性が極端に低く、ほとんど売買されていないような銘柄も多くあります。そのような銘柄を買ってしまうと、売りたくても売れない危険性もあります。しかし、フィリピン総合指数に採用されている30銘柄なら、毎日一定の売買高があり、売れないといった心配はありません。また、フィリピン総合指数採用銘柄は、いずれもフィリピンを代表する大企業ばかりなので、急激に業績が悪化するといった可能性も、相対的に低いと考えられます。

 

なお、フィリピン総合指数採用銘柄は、以下になります。

 

【図表1】フィリピン総合指数採用銘柄

少額投資が可能なフィリピン株式市場

一般的に、株式市場では、ある株数をまとめて売買しなければなりません。日本の株式市場では、現在は基本的に100株単位で売買されます。たとえば、トヨタ自動車であれば、株価は7,000円前後(2018年12月現在)なので、7,000円×100株=70万円が、最小の売買単位になります(ミニ株などの例外制度もあります)。

 

このように、最小取引単位が大きな金額になるため、多くの銘柄を集めたポートフォリオを組むには多額の資金が必要になります。

 

一方、フィリピン株式市場にも、最低購入株数はありますが、それが株価によって細かく分かれています。たとえば、株価が1ペソの場合は、1,000株単位(最低1,000ペソ)ですが、株価が1,000ペソ以上の場合は5株単位(最低5,000ペソ)です。つまり、株価が1ペソの銘柄なら日本円で約2,100円、1,000ペソの銘柄でも、10,500円程度で購入できるのです。(くわしく知りたい方は、フィリピン証券取引所のページでご確認ください。「LOT SIZE」が最低注文単位を表します)

 

  ハロハロアライアンス/ディレクター 鈴木廣政氏
ハロハロアライアンス/ディレクター
鈴木廣政氏

ちなみに、フィリピンの代表的な財閥であるSMプライム・ホールディングスの株価は約34ペソ、売買単位は100株なので、最低購入価格は3,400ペソ。日本円で約7,140円になります。またアラヤ・コーポレーションは、株価が約900ペソ、売買単位は10株なので、約9,000ペソ、日本円で約18,900円程度が最低売買単位になります。

 

このように、売買単位が小さいことと、株価が(日本円で見た場合に)全体的に低いため、小さな金額から購入できることも、フィリピン株式投資の魅力のひとつなのです。そのため、「お試し」で少し買うのも気軽にできますし、PSEiの30銘柄を集めたポートフォリオも簡単に組めるのです。

株式情報の収集は専門サイトを利用

基本戦略は、PSEiの30銘柄のバイ・アンド・ホールドがおすすめです。しかし、投資資金量と、株式の投資経験によっては、さらに応用的な戦略をとる方もいらっしゃるでしょう。たとえば、最低単位(日本円で20~30万円程度)を、積み立てのように毎月買っていき、いわゆるドルコスト平均法によりリスク分散を図るという方法もあります。暴落した銘柄があれば少し厚めに買い、暴騰した銘柄があれば少し売るといったリバランスを適宜おこなってもいいでしょう。

 

 

また、成長の果実は、キャピタルゲインだけではありません。フィリピン株式市場では、日本市場と比べて、高配当の銘柄が多くあります。中には配当利回りが10%前後の銘柄もありますので、そういった高配当銘柄をポートフォリオに組み込んで長期保有する作戦も有効でしょう。

 

「フィリピン株.com」編集長 仁科剛平氏
『フィリピン株.com』編集長
仁科剛平氏

もちろん、前回の記事で書いた市場の歪みを利用した方法、つまり、より好業績を上げる実力がありながら、低い株価で放置されている銘柄を探し出して、安いうちに買っておく方法もあります。

 

ただし、フィリピンには、日本の『会社四季報』『日経会社情報』のような、銘柄情報を統一的にまとめた情報源がなく、銘柄選びや売買タイミングを探るための情報収集に苦労します。そこで、日本人向けにフィリピン株式投資情報をまとめた専門サイトフィリピン株.comを始めたので、参考にしてみてください。

 

 

ハロハロホーム Founder
GATE of ASSETS 財団 常任理事 

1979年、愛知県生まれ。大原簿記専門学校卒業後、アパレル会社での勤務をへて、2000年、同業種で独立。同年自社ブランドを立ち上げ、卸、直営店舗を展開。その後、海外生産拠点を背景にOEM事業を開始。2005年にフィリピンに行き、1人のタクシードライバーに人生の生き方を考えさせられ、同地にて為替&アテンドビジネスをはじめ、もともとの事業を売却。その後、2007年にコンサル会社、2009年にPR会社を設立。2010年にフィリピンでオフショアのシステム会社を経営するO氏と出会い、同年Hallohallo incの立上げに従事する。
2014年にHallohallo Home incを立ち上げ、不動産売買仲介、管理、リーシング、内装、建築、ストリートチルドレン復学プログラム、人材派遣等、日本とフィリピンの双方にメリットのある事業に従事する。

著者紹介

フィリピン株.com 編集長

1952年⽣まれ。⽇本⼤学理⼯学部卒業。株式・⾦融専⾨誌の編集者を経て、株式・⾦融関係に強いジャーナリスト兼⾦融プログラマーとして活躍。コンピューターを駆使した独⾃の株価分析・企業分析とやさしい解説には定評がある。親族にフィリピン⼈が多く本物のフィリピン市場を知る貴重な存在でもある。
「フィリピン株.com」→http://xn--dck4eb9f0b0071d.com/

著者紹介

連載世界が注目する「フィリピン株式投資」~その魅力と展望