ファイナルウォークスルーとは
アメリカでは不動産を購入する際、登記を行う前に物件の最終チェックを行います。この点検作業はファイナルウォークスルーと呼ばれており、日本でいうと引き渡し前の最終確認のようなものです。チェックする対象は両者で共通しているものも多いですが、実施するときの意識において違いがあります。日本では、物件の状態に関する責任は売り手側のほうが大きいです。そのため、引き渡し後に不備が見つかった場合でも、瑕疵担保の考え方にも基づいて、売り手が責任を問われるケースも少なくありません。
それに対してアメリカでは、引き渡し後に見つかった不備は、買い手の責任と見なされるのが一般的です。したがって、ファイナルウォークスルーでは、日本の引渡し前の最終確認より、シビアにチェックする必要があります。
実施する目的とチェック項目
ファイナルウォークスルーは、買い手と売り手の間で交わした約束が守られていることを確認するために行います。引き渡し後にトラブルが生じることを防ぐため、不動産のエージェントとともに漏れなく点検しなければなりません。具体的なチェック項目は物件によって異なります。たとえば、各スイッチにライトや換気扇などが正常に反応するか一つずつ調べていきます。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジといった家電製品のコンディションを確認することも大事です。
洗面所や浴室、トイレなどの水まわりも点検しておかないと、後から配管の水漏れや詰まりが判明する場合もあります。さらに、すべてのドアや窓も主要なチェック項目です。隙間やひび割れがないことや、スムーズに開閉できることを確認します。また、建物の外にある車庫の状態などもチェックの対象です。
物件をチェックする際のポイント
問題になりやすいポイントを把握しておくと効率よく点検を進められます。売り手側のごみや私物が残っていると、引き渡し後に買い手が処分しなければなりません。費用がかかる場合もあるので、それらが残っている場合は引き取ってもらうのが基本です。目立つごみだけでなく、清掃状況について細かくチェックすることも忘れてはいけません。不衛生でカビなどが発生している場合は、ハウスクリーニングが必要になる可能性があります。
また、あるはずのものが見当たらないときも、その場で確認しましょう。家具付きの物件という話だったのに、家具が撤去されている場合などです。さらに、修繕事項の合意があった箇所について確認することも重要です。売り手側で修理すべき箇所が放置されているケースがあります。