入居の促進につながるサポートの重要性とは?
太陽ハウスは1980年の創業以来、不動産事業、建築事業、賃貸事業、福祉事業の4つの重点事業を確立してきた。福祉事業のひとつであるサービス付高齢者向け住宅(サ高住)は、これまでに14棟を供給。計画中および建築中の物件も4棟ある(2018年6月時点)。
その特徴は、不動産や建築、賃貸のプロだけでなく、介護の有資格者を社内に抱え、その専門力を結集してオーナー(投資家)の経営を全面的にサポートする点だ。
事業計画の立案から、サービスを委託する介護事業者の選定、地方自治体への登録や補助金の申請、建築、入居促進、運営開始後のオーナーや入居者へのサポートなど、すべてのプロセスに対してワンストップで対応。自らがオーナー兼介護事業者として積み上げた経験とノウハウをもとに、サ高住経営を徹底的に支援してくれる。
地域社会への貢献を経営理念に掲げる太陽ハウスは、オーナーだけでなく、入居者にとっても「自由」で「安心」なサ高住の実現を目指しているという。
「サ高住に移り住む方の中には、ご自宅の処分や賃貸を考えておられる方もいらっしゃいます。当社は不動産のプロとして、そうした入居者様のニーズにもきめ細かくお応えしています」(福永氏)
住む人の気持ちにしっかり寄り添ったサービスを提供していることも、入居の促進につながっているようだ。一方、オーナーに対しては、それぞれの経営方針や経営スタイル、資産状況、収益目標などに応じて、最適な運営形態の選定や事業計画づくりを支援している。
「わたしたちは、いかなるご相談にも柔軟に対応し、オーナー様が理想としているサ高住経営が実現できるようにお手伝いしています」(岩橋氏)
同社は、供給したサ高住のサービスを委託する介護事業者に対しても、経営のアドバイスなどを行っている。事業者にしっかりとサービスを提供してもらうことが、オーナーと入居者双方のメリットにつながると考えているからだ。これによって経営がよくなれば、委託できる事業者の数が増え、より多くのサ高住が供給できるようになる。
太陽ハウスでは、サービスを委託する介護事業者を集めた「常磐和楽久会」という親睦組織を作り、会員(事業者)同士の情報交換などを通じてサービスの底上げも図っている。
福永氏は「事業者が互いに研鑽し合うことで、よりよいサービスが実現し、オーナー様の収益の安定や、入居者様のご満足に結び付くのです」と説明する。
初期費用が大幅に抑えられる「補助金・税制優遇」
では、オーナーはサ高住のどのような点に魅力を感じて経営を始めるのであろうか?
福永氏は「オーナー様によってさまざまですが、補助金や税制優遇が受けられ、一般の賃貸住宅よりも高い収益力が見込める点は、皆さんが魅力に感じておられるようです」と語る。
サ高住として登録されると、新築の場合は国から建築費の10%の補助金が交付される。さらに、太陽ハウスがサ高住を供給する千葉県では建築費の5%の補助金が交付されるので、合わせて15%のコストダウンが実現する。
「建築費が2億2,000万円の場合、約3,000万円の補助金が受け取れる計算です。ただし、国の補助金には1戸当たり120万円(床面積25㎡以上)などの限度額が設けられており、県の補助金は年度ごとに予算の上限枠があります。県の予算が残っているタイミングで申請するのが有利だと言えます」(福永氏)
このほか、すでにある建物を改修してサ高住にする場合は、国から改修費用の3分の1の補助金が受けられる。
税制面では、固定資産税と不動産取得税が大幅に減免されるのがサ高住の魅力だ。固定資産税については、建物にかかる分の税が5年間にわたって3分の2に減免される。不動産取得税は、家屋については課税標準から1戸当たり1,200万円が控除され、土地については家屋の床面積の2倍に当たる土地面積相当分の価額等が減額される。
「本来なら約270万円かかるはずの不動産取得税が、減免手続きによって約6万円まで減額された例もあります」(福永氏)
これらの補助金や税制優遇によって、一般の賃貸住宅より高めの利回りが期待できることがサ高住の大きなメリットだと言える。