都心部を中心に土地価格が高騰し、やや過熱気味ともいえる不動産投資市場。新たな物件選びにあたっては「価格が高すぎる」「利回りが確保できない」と悩んでいる方も多いだろう。本連載では、株式会社Coeur代表取締役の大坂真氏が、年9%以上の高利回りが見込める東京郊外などの新築一棟物件を取得し、適切な家賃設定で満室を維持しながら、最終的にキャッシュを大きく膨らませる最新の不動産投資術を紹介する。第1回目は、「郊外・新築・ワンルーム」で利回り9%を確保できる理由を伺った。

もはや投資対象にならない都心の物件・・・

教科書どおりの不動産投資は、だんだん難しくなっている――。これは、自らも個人投資家として数多くの不動産に投資してきた実感です。

 

物件価格の高騰によって、従来の投資セオリーが通用しにくくなっています。都心では、すでに取得できる物件の数が急減していますし、売りに出される物件のほとんどは値段が高過ぎて、とても十分な売却益や利回りが見込めるものではありません。

 

不動産投資の王道は、借り入れの返済額をなるべく小さくして安定的なネットインカム(家賃収入-返済額)を得ること、高く売り抜けて売却益を得ることの2つですが、物件価格が上がり過ぎた結果、都心ではどちらも実現困難になっているのです。

 

しかし、「郊外」「木造」という2つのキーワードに着目すれば、取得価格が大幅に安くなるので利回りが上がり、より大きな売却益が見込めます。

 

これを高利回りで運用し、築年数があまり経過しないうちに売却すれば、運用益(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)の合算によってかなりのキャッシュが得られます。「木造」の物件は、「RC造」に比べて税制上有利なので、その分のキャッシュも上乗せできます。3年後に売却すれば、1,000万円の元手(頭金)が1億円になる可能性も十分にあります。

「郊外」「木造」「ワンルーム」に着目した理由

ご存じのように、都心のワンルームマンション(いわゆる区分マンション)は地価の高騰によって表面利回りが年4%を切っているものも珍しくありません。家賃収入から借り入れの返済や諸費用、税金などを差し引くと、実質的な利回りはマイナスとなる可能性もあります。

 

地価の安い郊外なら、十分な収益を見込める利回りが実現可能です。木造にすれば建築コストも抑えられるので、さらに利回りを高めることができます。とはいえ、近年は郊外でも地価がかなり上昇しており、投資用不動産情報サイトなどで見る限り、せいぜい年8.5%が上限といったところです。

 

株式会社Coeur 代表取締役 大坂 真 氏
株式会社Coeur 代表取締役 
大坂 真 氏

しかし、こういった状況においても、当社が提供している木造ワンルームマンションは、ほぼ年9%以上、時に10%ほどの表面利回りを実現しています。これは、決定的に「建築コストが安い」からです。

 

私自身、個人投資家として100社以上の建設会社にアプローチした経験を持っており、その中でもとくに低コストで請け負ってくれる会社に建設を注文しています。一概には言えませんが、他の建設会社よりも3割ほど安い値段で建物を作ってくれるのです。郊外の物件は価格に占める建物の割合が高いので、3割の差はかなり大きいと言えます。 

 

ワンルームマンションに限定しているのは、ファミリータイプなどに比べて投資効率がよく、相対的に大きな利回りが得られるからです。一棟であればファミリータイプよりもワンルームのほうが戸数を増やせるので、空室リスクを抑える効果も期待できます。
 

 

 

取材・文/渡辺 賢一 撮影(人物)/佐山 順丸
※本インタビューは、2018年5月16日に収録したものです。