新しい形の会員制コミュニティ「GATE of ASSETS財団」が注目を集めている。本稿では、この財団の会員のみがリーチできる「投資と保全」の最新情報について、ハロハロアライアンス・ディレクターで「GATE of ASSETS財団」の常任理事である鈴木廣政氏を中心に、現地情報に精通した方たちに紹介していただく。今回は、フィリピンの「ストリートチルドレン」へのサポートについて取り上げる。

施設だけではなく、広範な領域からの仕組みづくりを

前回の続きです。GATE of ASSETS 財団では、ストリートチルドレンの保護施設や、彼らを受け入れる学校の設立に、積極的に取り組んでいきます。現状、行政が手がける生活保護施設などは存在しているものの、まだまだ数が足りません。また、施設自体が貧しく、満足にサポートできない場面も多いのです。

 

 

フィリピン政府としても貧困問題、またそれに付随するストリートチルドレン問題を重要視し、対策を講じようとしていますが、なかなか予算が追い付かず、取り組みは後手に回っているのが実情です。そこで求められているのが、民間からの支援です。すでにフィリピンの財閥やその関係組織が基金を設立して信託の形で資金を集め、保護施設や学校の設立に尽力していますが、GATE of ASSETS 財団でも同様の取り組みを加速させたいと考えています。

 

そうした支援は、単純に箱(施設)をつくれば、それで終わるものではありません。正しく運営する体制・仕組みづくり、スタッフの養成といった人材確保など、管理・維持していくための取り組みも極めて重要になります。

 

子どもたちが安全に暮らせる環境を提供し、教育を与え、無事に社会へと巣立っていく姿を見届ける。そこまでサポートすることが、本当の意味のストリートチルドレン支援ではないでしょうか。悲しいことですが、大人から虐待を受けていたストリートチルドレンが保護施設に入っても、保護施設のスタッフから虐待を受け、さらに疲弊していく……といった、痛ましい状況も現実では少なからず発生しています。そのような不幸な状況を是正するため、政府関係者に働きかけて教員養成学校設立の認可を取り付ける、といった動きも実際に進められているのです。

いま必要なのは「IT教育」…財閥との大プロジェクトも

保護施設や学校に優れた人材を教員として送り出す仕組みのように、ストリートチルドレン支援に繋がる広範な領域からのサポートしていく。そうした取り組みに出資したりできるのも、GATE of ASSETS 財団ならではのベネフィットといえるかもしれません。

 

当座の目標としては、GATE of ASSETS 財団として、年間数千人のストリートチルドレンを支援していきたいと考えています。なかでもIT教育は、とりわけ重要だと捉えています。というのも、IT関連の知識やスキルを身につけることは、仕事を得ること、世界に出ていくことに端的に繋がる、早道だからです。優秀な子どもたちには、パソコンの提供なども行っていきます。

 

ここまで述べてきたようなGATE of ASSETS 財団の具体的な取り組みや、計画段階のプロジェクトは、フィリピンで大きな力を持つ「財閥」の関係者からも評価されています。フィリピンの各財閥は、さまざまな社会貢献プロジェクトや生活インフラづくりなどを展開していますが、それらは行政をも巻き込んだ、規模的にも金額的にも一大プロジェクトであることが少なくありません。

 

 

そうした案件に関する情報もGATE of ASSETS 財団には数多く寄せられています。また、GATE of ASSETS 財団が中心的に推進する形で、大きなプロジェクトを展開する場面も今後は増えていくでしょう。すでに準備が進んでいるプロジェクトもあります。時機がきましたら、この連載のなかで詳細をお伝えしていきたいと思います。

鈴木氏