新しい形の会員制コミュニティ「GATE of ASSETS財団」が注目を集めている。本稿では、この財団の会員のみがリーチできる「投資と保全」の最新情報について、ハロハロアライアンス・ディレクターで「GATE of ASSETS財団」の常任理事である鈴木廣政氏を中心に、現地情報に精通した方たちに紹介していただく。今回は、「GATE of ASSETS財団」が経済活動を通じて目指す社会貢献について取り上げる。

経済・社会を発展させる「架け橋」として日比を繋ぐ

ここまで数回ほど、GATE of ASSETS 財団の取り組みを「メンバーに提供されるベネフィット」という観点から紹介してきました。

 

そうしたメンバーにもたらされる投資やビジネスなどに関する有益な情報、フィリピン財界のフィクサー・政府要人・財閥関係者とのコネクション、他のメンバーとの交流・親睦を加速させるコミュニティ機能などは、たしかにGATE of ASSETS 財団のメンバーだけが得られる大きなベネフィットです。

 

 

しかし、GATE of ASSETS 財団は単なる利潤追求団体ではありません。そもそも、GATE of ASSETS 財団の理念として強く意図されているのは、投資やビジネスといった経済活動を通じて、日本とフィリピンを繋ぐ「架け橋」となること。この連載の2回目、3回目でもお伝えしたように、財団の活動は「ビジネス」と「社会貢献」が両輪として等しく機能し、それらが日本とフィリピンのどちらにも資するものであることを標榜しています。

 

財団の活動は、端的に社会貢献に繋がるものもあれば、間接的にフィリピン経済、社会を発展させるものもありますが、すべてに通底するのは「フィリピンをより良い国にしていきたい」「日本とフィリピンの関係をより良いものにしていきたい」というビジョンに他なりません。

 

私自身、フィリピンでビジネスを展開するなかで、社会貢献に対する意識が非常に高まったこともあり、2009年ごろから個人的にフィリピンでの社会貢献活動に取り組んできました。そしてGATE of ASSETS 財団に参画したことにより、よりいっそう、意欲的に取り組んでいきたいと思っています。

ストリートチルドレンに「教育」の機会を!

GATE of ASSETS 財団がいま取り組んでいる、そして将来的に取り組みたいと考えている社会貢献プロジェクトには、さまざまなものがあります。そのなかでも、一貫して注力しているのが、教育に関する取り組みです。

 

たとえば、ストリートチルドレンについて。現在、フィリピンには膨大な数のストリートチルドレンが存在しており、正確な人数は分からないものの、その数はおよそ25万人ともいわれ、その多くがマニラ圏内に住むといわれています。世界的に見ても、フィリピンのストリートチルドレンの数はまだまだ多く、さまざまなリサーチで上位5位以内に入っているような状況です。

 

ストリートチルドレンの捉え方はさまざまですが、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)の定義によると「帰る家がなく、家族からの支援がない子ども」「定期的に帰宅するが、ほとんどの時間を路上で過ごす子ども」「家庭自体がホームレスで、家族とともに路上で暮らしている子ども」「保護はされているものの、また路上生活に戻ってしまう可能性がある子ども」という4つのカテゴリーに分類されています。

 

フィリピンでは長らく、ごく一部の富裕層と、大多数の貧困層という社会構造が続いてきました。近年の経済成長により、徐々に中間層も増えつつありますが、基本的には二極化した社会であることに変わりはありません。そして、貧困層の最底辺に位置しているのが、ストリートチルドレンなのです。

 

 

出生率が高く、人口増加が続いているフィリピンにおいて、子どもたちは同国の将来を担う大切な財産です。彼らに教育の機会を与え、適切に能力を伸ばす手助けをする。それにより、彼らはさまざまな人材へと成長していくことでしょう。「教育」領域への投資は、豊富で多様な人的資源を生み出し、フィリピン経済・社会を発展させる大きな原動力になります(次回に続く)。