今や世界有数の成長国といえる「フィリピン」。日本の富裕層による不動産投資なども進んでいるが、近年、投資先として特に注目を集めているのが「セブ島」である。本連載では、現地最大のインフラ建設会社が手がける巨大開発プロジェクト「ハロハロエデン」の全貌を明らかにするとともに、このプロジェクトに早期から参画できる「プレミアムオーナーシップ」の魅力などを探っていく。第六回目は、フィリピンで活動する日系の企業集団「ハロハロアライアンス」について紹介したい。

不動産、金融、人材、旅行・・・現地で各種ビジネスを展開

「ハロハロアライアンス」とは、中核企業である「ハロハロインク(Hallohallo Inc)」を軸に、様々な異業種企業が連携・提携した連合の総称です。このアライアンスは、いうなれば日本のITビジネスの知見やノウハウをフィリピンに導入し、現地でITインフラ、ソフトインフラの構築を手がける一大プロジェクトといえるでしょう。

 

 

ハロハロイアライアンスは、フィリピン最大のインタネットショッピングモール「ハロハロモール」、フィリピン最大のレストラン紹介サイト「ハロハロタウン」、フィリピン最大の企業紹介サイト「ハロハロジョブ」を運営しています。そして、日本の各分野の企業をフィリピンに誘致したり、業務提携を結んだりすることで、ハロハロアライアンスは成長していきました。

 

現在、前述した3サービスだけでなく、「ハロハロバンク」(銀行)、「ハロハロトラベル」(旅行代理業)、「ハロハロカー」(自動車販売)、「ハロハロビジネス」(ビジネスコンサルティング・広告業)、「ハロハロライフ」(生保・損保)など、多岐に渡る分野のビジネスをフィリピンで展開しています。私が代表を務めている「ハロハロホーム」(不動産の販売・賃貸仲介)も、このアライアンスの一角を成している企業になります。

 

[ハロハロアライアンス参加企業]

 

モール運営、人材、旅行、金融、不動産、レストラン、小売業など、ハロハロアライアンスが手がける領域は、もはやインターネット/ITの枠だけに収まらない、実業領域を広く網羅したものになっています。たとえば、伝統文化からサブカルチャーに至るまで、日本文化を幅広くフィリピンに紹介するハロハロアライアンスの取り組みにも高い関心が寄せられており、2015年には経済産業省が主催する「クールジャパン・マッチンググランプリ」において、ハロハロインクがグランプリを獲得しました。

他社にない強み「会員220万人&大規模ビッグデータ」

ハロハロアライアンスは現在、220万人のウェブサービス会員を擁しており、2018年にはその数を500万人までに拡大することを目標にしています。フィリピンにおいて、これほど大規模のビックデータを構築している企業は他にないでしょう。このビッグデータは、さまざまなビジネスの可能性を秘めています。

 

加えて、ハロハロアライアンスはフィリピンに本拠を置き、フィリピン人スタッフを数多く雇用し、現地に根付いてリアルビジネスを展開しています。つまり、デジタル領域からアナログ領域まで、あらゆる側面でフィリピンの事情に精通している、ともいえるでしょう。

 

 

フィリピンは、ビジネスの入れ替わりが激しく、企業がなかなか定着しないといわれている国です。そんなフィリピンで長年ビジネスを続けているハロハロアライアンスには、これまでの蓄積をもとにした独自のノウハウや現地ネットワークがあります。フィリピンの風土、文化、法制度、ビジネス事情に通じているからこそ、個人の不動産投資から、企業の事業進出まで、幅広く、さまざまな形で携わっていけるのです。

取材・文/漆原 直行 撮影/永井 浩 
※本インタビューは、2017年6月2日に収録したものです。