国立社会保障・人口問題研究所が2026年9月に公表した「第17回出生動向基本調査」によると、結婚の利点として「経済的余裕」を挙げる未婚者の割合は減少する一方、「愛情を感じる人と暮らせる」を挙げる割合は増加しています。そんななか、年収1,100万円の大手企業勤務の男性と交際した42歳の女性。しかし、半年で交際は終了しました。女性が交際を終わらせた理由とは……。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。
しばらく婚活はいいや…〈年収1,100万円〉46歳エリート会社員と半年で破局した42歳女性。「あんなに条件がいいのに」と言われても交際をさっさと終了させたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「お母さんが掃除に来てくれる」と聞いて

さらに、ケンタさんの普段の生活について聞いたときも驚きました。一人暮らしのケンタさんは、仕事が忙しく、自宅の掃除や片付けがなかなかできないそうです。そこで、神奈川に住む母親が定期的に訪ねてきて、掃除や身の回りのことを手伝ってくれるといいます。

 

「46歳にもなって、お母さんが掃除に来てくれるんだって、びっくりしました。忙しいのはわかるけど、だったら家事代行を頼めばいいじゃないですか」

 

ケンタさんは、母親が電車を乗り継いで掃除に来てくれることを特に問題だとは思っていない様子でした。さらに、年齢を重ねた母親のことを考えると、将来的には結婚相手にも家族のことを気にかけてもらえたらうれしい、と話していたそうです。コトネさんは、結婚したら母親が担っている役割が自分に回ってくるのではないかと感じました。

 

振り返ってみれば、ホテルの予約や移動手段の手配、置いていった衣類のクリーニングだけではありません。仕事で忙しいときも、休日に一人で過ごしたいときも、ケンタさんの希望を優先するよう求められてきたと感じていました。

 

「彼は仕事のことなら何でも自分で調べて判断できる人なんです。それなのに、生活のことになると誰かにやってもらうのが当たり前になっている。そのことに本人が疑問を持っていないのが、一番気になりました」

 

一つ一つは小さな出来事でした。しかし、それが積み重なるうちに、コトネさんは結婚後の生活を想像できなくなっていったといいます。

幼いころから家族のケア役だった

実は、コトネさんには、こうした関係に敏感になる理由がありました。母親は病気がちで、コトネさんは幼いころから家事を手伝い、母親の身の回りの世話をすることが多かったといいます。父親の機嫌にも気を配り、家族が困らないよう、自分が何をすべきかを考えることが習慣になっていました。

 

「子どものころから、誰かの世話をするのが当たり前だったんです。大人になってからも、恋人が困っていたら私が何とかしなくちゃと思っていました」

 

しかし、40代になり、自分の生活を自分で成り立たせられるようになった今、これからの人生まで誰かの世話に費やしたいとは思わなくなりました。ケンタさんにも、その気持ちを伝えました。

 

ところが、ケンタさんは「夫婦になったら、お互いに支え合うものじゃないの? それに言ってくれればやるのに」と不思議そうに答えたそうです。

 

「支え合うことと、相手の生活を管理することは違うと思うんです。でも、彼にはその違いがピンとこないようでした。『あなたはパートナーじゃなくてお母さんの代わりがほしいんだね』が最後の言葉でした」

 

コトネさんは、半年ほどでさっさと交際を終わらせました。

「あんなに条件がいい人なのに、もったいない」

別れたことを友人に伝えると、驚かれました。

 

「あんなに条件がいい人なのに、もったいない」

 

確かに、ケンタさんと結婚すれば、世帯年収は約1,750万円。経済的には今より余裕のある生活ができるかもしれません。しかし、コトネさんは経済的に養ってもらうために結婚したいわけではありませんでした。

 

「私は今の生活に不満がないんです。結婚してお金が増えても、家事や相手の健康管理、親のことまで考える仕事が増えるなら、何のために結婚するのかわからないんですよね」

 

コトネさんが求めていたのは、「自分を必要とする人ではなく、自分が一緒にいたいと思える人」でした。もちろん、相手が病気になったり、困ったりしたときには支えたいと思っています。しかし、普段から自分でできることまで引き受けるつもりはありません。

 

「彼と結婚したら、私はパートナーじゃなくて、お母さんになってしまう気がしたんです」

 

それまで婚活を続けてきたコトネさんですが、今回の交際を経て、しばらく結婚や恋愛はいいやと思うに至りました。

結婚に求めるものは、経済的な安定だけではない

国立社会保障・人口問題研究所が2026年9月に公表した「第17回出生動向基本調査」によると、18〜34歳の未婚女性のうち「いずれ結婚するつもり」と回答した割合は77.8%。前回2021年調査の84.3%から低下しました。また、結婚に利点があると考える未婚女性の割合も、前回の7割程度から6割台へと減少。結婚の利点として「経済的余裕」を挙げる割合が低下する一方、「愛情を感じる人と暮らせる」を挙げる割合は増加しました。

 

さらに、同調査では未婚男女のおよそ6人に1人が、結婚しても子どもを持つことを望んでいないという結果も出ています。一方、内閣府の「令和5年版男女共同参画白書」によると、6歳未満の子どもがいる共働き夫婦では、家事関連時間の77.4%を妻が担っていました。

 

これらは主に若年層や子育て世帯を対象とした調査であり、40代女性の婚活事情や、男性が恋人にケアを求める割合を直接示すものではありません。ただし、結婚の目的が経済的な安定や子どもを持つことだけではないこと、また家庭内の無償労働が女性に偏る現状が確認できます。

 

家事には、掃除や料理といった作業だけでなく、必要なことを考え、調べ、手配する仕事もあります。こうした負担が一方に偏れば、共働きであっても不公平感が生じかねません。

 

結婚によって世帯年収が増えるとしても、どちらか一方の時間や労力の負担が増えるのであれば、必ずしも生活の満足度が高まるとは限りません。結婚相手を考える際には、互いの生活を尊重し、日々の家事や生活管理をどう分担するのかについても確認することが大切でしょう。

 

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【資産運用】11月14日(土)
米国株で「10倍株(テンバガー)」を狙うには?
最新AIを活用した「銘柄発掘・分析」のノウハウ

 

【相続・事業承継】11月19日(木)
認知症による「資産凍結リスク」を防ぐには?
今備えるべき「承継対策」を家族信託の第一人者が解説

 

【資産戦略】11月25日(水)
約30年ぶりの大金利変動の今しかつかめない?
新たな「お宝保険」の全貌