親の生活を支えるため、少しでも税負担を抑えたいと考える現役世代は少なくありません。70歳以上の親を扶養に入れれば、一定の条件のもとで所得控除を受けられます。しかし、介護サービスの利用者負担を軽減する制度には、税金とは異なる要件が設けられています。親への援助と節税を両立させるために、知っておきたい制度の仕組みを見ていきます。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
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老人ホームからの請求額増額の理由判明。今年の年末調整は…
誠さんは、前年の年末調整を訂正できないかとも考えました。しかし、過去の税務申告を見直すことと、介護費用の軽減制度が再び適用されるかどうかは別の問題です。税務上の手続きを変更すれば、必ず施設費用が下がるとは限りません。
「次の年末調整は、よく考えないと……」
扶養控除は、70歳以上の親が所定の要件を満たす場合、老人扶養親族として所得から48万円を控除できる制度です。ただし、48万円がそのまま節税額になるわけではありません。実際に軽減される所得税・住民税の額は、本人の所得や税率などによって変わります。
また、介護費用の負担軽減制度は、税法上の扶養控除とは別の仕組みです。扶養控除を申告しただけですべての介護費用が増えるわけではなく、制度ごとの要件や自治体の運用によって結果は異なります。
親を扶養に入れるかどうかを考える際には、税金の軽減額だけでなく、親の収入や支出、利用している介護サービスや負担軽減制度まで確認することが大切です。誠さんも、目先の節税額だけで判断せず、母の暮らしにかかる費用を全体で比較してから結論を出すことにしました。