(※写真はイメージです/PIXTA)
38歳独身会社員を襲った口座異変
38歳で独身の会社員Aさんは、新NISAの非課税枠をほぼ使い切るなど、将来に備えた資産形成を着実に進めていました。NISAの口座残高は1,200万円。
仕事での大幅な収入増は見込みにくく、結婚を急いでいるわけでもありません。だからこそ、毎月の積立と、アプリに表示される資産残高の伸びだけは、裏切らない手応えのように感じていました。
ですがその安心は、ある朝あっけなく崩れました。
スマートフォンに届いたのは、身に覚えのないログイン通知。さらにその直後、追い打ちをかけるように「パスワード変更完了」のメールまで届いたのです。
慌てて証券口座アプリを開こうとしても、すでにロックがかかっていて入れません。ようやくサポート経由で確認できた画面には、見覚えのない取引履歴が残されていました。
Aさんは不正ログインの可能性に気づきましたが、ネット通販をはじめ複数のサービスで同じパスワードを使い回していたため、どこから認証情報が漏れたのか見当もつきません。なにを先に疑えばいいのかもわからず、ただ立ち尽くしてしまいました。
「どこから漏れたのかわからない」という恐怖は、証券口座の被害だけでは終わりません。「連携している資産管理アプリも見られているのではないか」「登録先のメールアドレスや個人情報も危ないのではないか」そんな不安が次々に浮かび、確認すべき範囲は際限なく広がっていきます。
便利さのために続けていたパスワードの使い回しは、被害を広げやすい状態を作っていただけでなく、不安そのものも大きくしていたのです。
資産を脅かすリスクは、利用者の手元だけにあるとは限りません。サービスの裏側で動くシステムやソフトウェアの弱点が、思わぬ不安の火種になることもあります。