金利が上昇し、不動産価格の高騰が続くなか、「金利が低いうちに」「いま買わなければ手が届かなくなる」とマイホームの駆け込み購入に踏み切る世帯が増えています。しかし、本格的な金利上昇局面における住宅ローン選びは、一歩間違えると将来の家計を破綻させかねないリスクを秘めています。「いまが一番安い」と信じてマイホームを購入したAさんの事例から、変動金利のリスクといまから講じるべき対策を解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。
不動産会社「金利はまだ低いです、いまのうちですよ」…マイホームを〈駆け込み購入〉、月収54万円・38歳会社員が選んだ変動金利。“わずか半年後”に直面した驚愕の事態【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「これ以上金利が上がる前に」営業マンの言葉に背中を押された駆け込み購入

サラリーマンのAさん(38歳)は、月収54万円。パート勤務の妻(36歳)と5歳になる息子の3人家族で、半年前まで東京都内の賃貸マンションで暮らしていました。もともとは2年後の息子の小学校入学に合わせてマンションを購入しようと計画し、コツコツと頭金を貯めていたのです。

 

しかし、ニュース等で金利上昇の話題が目立ちはじめたことから、計画を前倒しして年明け早々に都内マンションの購入を決めます。「金利はまだ安いです、いまのうちですよ」という不動産会社の営業マンの言葉も強い後押しとなりました。

 

当時のフラット35(全期間固定金利)の金利は2%を超えていました。「どんなに金利が上がっても2%は超えないだろう」と考えたAさん夫婦は、全期間固定を選ばず、適用金利0.86%の変動金利型ローンを選択します。

 

【Aさんの住宅ローン借入概要】

・返済開始:2026年1月(38歳・返済期間35年)

・借入金額:4,500万円(ボーナス返済なし/元利均等返済)

・当初金利:0.86%(5年ルール・125%ルールの適用なし)

・毎月返済額:12万4,114円

半年後に届いた予想外の通知

無事に引っ越しを終えて半年が過ぎたころ、金融機関から返済額変更の通知が届きます。毎月の返済額は約6,000円アップしていました。

 

金額の増加もさることながら、通知に記載された見直し後の金利を見て、Aさんは驚きます。

 

「あれ……? 金利が0.3%も上がっている。政策金利の上昇幅は0.25%だったはずなのに、なぜそれ以上に上がっているんだ?」

 

不思議に感じると同時に将来への不安が高まったAさんは、筆者のもとへ相談に来られました。