新NISAの定着や資産運用ブームを背景に、十分な金融資産を築いて早期退職を目指す「FIRE」への関心が幅広い世代で高まっています。しかし、目標額を達成して念願のリタイア生活に入ってから「想定外の事態」に直面することも。事例を見ていきましょう。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。
「サラリーマン、辞めるんじゃなかったよ…」NISA口座に刻まれた〈100,000,000円〉に目を輝かせ、49歳でFIREした男性。早期退職1年後に噛みしめた“想定外の後悔” (※写真はイメージです/PIXTA)

「給料を稼ぐこと」以外の会社に所属するメリット

総務省統計局が公表した『労働力調査(2025年)』によると、15歳以上人口に占める就業者数の割合を示す「就業率」は2025年平均で62.2%となり、前年から0.5ポイント上昇して5年連続の伸びを記録しました。さらに、65歳以上の就業率においても26.0%と過去最高を更新しています。

 

このように、高年齢層を含めて就労が一般化する一方で、若年期からの資産形成を通じて早期に労働市場から離脱を目指す「FIRE」を選択する動きも一定の支持を集めています。長時間の労働やストレスフルな職場環境から離れ、金銭的な不安なく自由に時間を過ごすという概念は、多くの会社員にとって魅力的な選択肢として映るのかもしれません。

 

しかし、金融資産の目標達成のみを優先して退職を実行した場合、退職後のありあまる「時間」をどのように運用・管理するかという課題が顕在化します。

 

会社という組織に所属することは、給与を得る手段であると同時に、起床時間や行動様式、他者とのコミュニケーションといった生活のリズムを強制的に維持させる機能も担っています。これらが失われた際、明確な日課や目的意識を持たないままでいると、無気力状態や生活習慣の乱れを引き起こすリスクが生じやすいようです。

 

早期リタイアを成立させるためには、必要な資金を準備するだけでなく、退職後に自身を規律ある生活にとどめるための具体的な活動計画や、社会・家庭内での役割をいかに再構築するかという観点が不可欠となります。

 

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