男性の育児休業取得は、いまや珍しいものではなくなりつつあります。厚生労働省が2026年7月31日に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業取得率は50.9%と過去最高となりました。一方、働くことや家族の役割についての考え方は、世代によって大きく異なることがあります。第二子の誕生を前に「2ヵ月の育休を取る」と決めた36歳の息子。それを聞いた70歳の父親は猛反対しました。父親としては息子の将来を心配したつもりでしたが、ある一言をきっかけに、親子はほとんど連絡を取らない状態になってしまいます。
「出世に響くだろ」「嫁さんも休むんだろ?」〈世帯年収1,100万円〉第二子誕生を前に「育休2ヵ月」を決めた36歳息子…親子を絶縁状態に追い込んだ70歳父の「失言」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「2ヵ月も休むのか?」息子から聞かされた育休の話

「今度、2ヵ月くらい育休を取ることにしたから」

 

息子のショウタさん(36歳・仮名)からそう聞かされたとき、ヒロシさん(70歳・仮名)は思わず聞き返しました。

 

「2ヵ月? 会社を?」

 

ヒロシさんは68歳の妻と2人暮らし。夫婦の年金収入は月24万円ほどです。息子のショウタさんは会社員で、年収は約650万円。妻のマイさん(34歳・仮名)も会社員で、年収は約450万円です。3歳になる長女がおり、まもなく第二子が誕生する予定でした。

 

マイさんはもともと疲れやすい体質だといいます。第一子を出産したあとも体調がなかなか戻らず、立ちくらみや強い疲労感が続きました。しかし当時、ショウタさんが取得した育休は1週間ほどでした。ショウタさんは早々に職場へ復帰。マイさんの母親にも手伝いに来てもらいながら、夫婦で何とか乗り切りました。

 

それから3年。第二子を授かったショウタさんは、今度は出産後に2ヵ月間の育児休業を取得すると決めました。

「嫁さんが休んでいるのに、お前まで休んでどうする」

ヒロシさんには、息子の判断がどうしても理解できませんでした。自分が現役だったころ、男性が育児のために長期間会社を休むなど考えられなかったからです。ヒロシさんは、新卒で入った会社を定年まで勤め上げました。子どもが生まれたときも仕事を休んだ記憶はほとんどありません。

 

「一家の大黒柱なんだから仕事をする。それが家族を守ることだと思っていました」

 

もちろん時代が違うことはわかっています。それでも、これから子どもが2人になり、教育費も増える。ましてショウタさんは30代半ば。仕事でも責任ある立場になっていく時期です。

 

「2ヵ月も会社を離れて、出世に響いたらどうするんだ」「収入だって減るんじゃないのか」そんな言葉が口をついて出ました。

 

ところがショウタさんは、「そのへんは夫婦で計算して決めたから」と答えるだけ。

 

そこでヒロシさんは、つい言ってしまいました。

 

「でも、嫁さんも産休や育休で家にいるんだろ? 嫁さんが休んでいるのに、お前まで2ヵ月も休んでどうするんだ。嫁は何やってるんだ」

 

すると、ショウタさんの表情が変わったといいます。