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わずか3日での挫折…シニア就労の落とし穴
現場責任者の判断で病院へ搬送された村上さんは、医師から「加齢による変形性膝関節症と腰痛の悪化」と診断されました。長時間の立位保持が負荷となり、症状が急激に悪化したのです。医師からは立ち仕事の禁止を告げられ、村上さんは採用からわずか3日で退職届を提出することになりました。
「デスクワークしか経験がなかったので、立つだけの作業を軽視していました。体力がここまで落ちているとは思いませんでした」
厚生労働省の『高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン』では、加齢に伴う身体機能の低下として、筋力の衰えや平衡感覚の低下、関節の柔軟性の減少などが挙げられています。同省『労働災害発生状況』によると、60歳以上の労働者における労働災害の発生率は高く、特に「転倒」や「動作の反動・無理な動作」による負傷が多くを占めます。若年層と同じ労働環境に高齢者が入ることで、身体にかかる負荷が増大し、ケガや疾病につながるリスクが指摘されています。
村上さんは現在、自宅で安静に過ごしながら、今後の生活について見直しを進めています。今回の苦い経験を経て、村上さんは働く条件の考え方を大きく改めました。
「この年になると給料ではないですね。今の自分が何ができるかを、一番に考えるべきでした」
70代での就労を目指す場合、過去の職種にとらわれず、自身の身体的な負荷を正確に把握することが不可欠です。短時間勤務や座り作業を中心とした職種を選ぶなど、無理のない就労環境を選択することが、息の長いセカンドキャリアの維持につながります。