世界的なビーチリゾートとして知られるオーストラリア・ゴールドコースト。しかし今、この街は単なる観光地ではなく、教育移住や2拠点生活を望む日本人、そして国内外の投資家が熱視線を送る「不動産のホットスポット」へと変貌を遂げています。過去7年で家賃が約2倍に急上昇するほどの人気ぶりを見せる一方、豪州主要都市のなかで唯一「需要よりも新築マンションの供給が上回る」という特異なデータも。なぜ今、ゴールドコーストに人とお金が集まるのか? 現地メルボルンを拠点に、数多くの日本人投資家やご家族の移住・進出支援を手がけてきたKPG代表の寺田環氏が、リゾートのイメージに隠された住宅市場の強さと、賢い不動産の持ち方を紐解きます。

“太陽、ビーチ、そしてゴルフ”…日本人が惹かれる暮らし

オーストラリア・メルボルンを拠点に、日本人のお客様の不動産購入や企業進出のお手伝いをしているKPG代表の寺田環です。

 

これまでの連載(『在豪約20年の専門家が語る豪州不動産最前線』)では、メルボルン、シドニーと都市ごとの不動産市場をご紹介してきました。今回取り上げるのは、同じオーストラリアのなかでも少し違った顔を持つ「ゴールドコースト」です。

 

「世界的なビーチリゾート」というイメージが強い街ですが、実際には子育て世代の移住先であり、ゴルフを楽しむ大人の拠点であり、新築マンションの開発が続く成長中の住宅市場でもあります。今回は、そんなゴールドコーストならではの魅力と、住宅需要・供給の特徴を、できるだけわかりやすくお伝えします。

 

ゴールドコーストには、お子さんの教育を目的にご家族で移住される日本人の方が少なくありません。以前、実際にゴールドコーストへ移住された日本人経営者の方にお話を伺う機会がありました。ご家族でサーファーズパラダイスに暮らしながら、日本での仕事も続けているそうです。

 

移住先としてゴールドコーストを選んだ一番の理由は、お子さんの教育環境でした。それに加えて、日本との時差がわずか1時間しかないため、会社経営を続けながらでも無理なくリモートワークができること、そして冬でも比較的温暖で、海の近くでのびのびと暮らせる環境も決め手になったそうです。さらに、ご本人がゴルフ愛好家であり、「ゴールドコーストなら一年を通して気持ちよくラウンドできる」ことも、移住を後押しした理由の一つだったといいます。

 

生活拠点を海外に移しても、日本の仕事は続けられる。子どもの教育環境を大切にしながら、自分自身の暮らしや趣味の時間も犠牲にしない。この「両方をあきらめなくていい」距離感こそ、日本人がゴールドコーストを移住先に選ぶ大きな理由になっています。

 

実際、ゴールドコーストを移住先や物件の購入先として選ぶ日本人には、温暖な気候のなかでビーチライフとゴルフライフの両方を満喫したいという方が多く見られます。ゴールドコースト一帯には、著名な設計者が手がけたコースを含む数多くのゴルフ場が集まっており、「ゴルフパラダイス」と呼ばれるほどの土地柄です。一年を通じて気候に恵まれてラウンドしやすいうえ、海や自然に近いロケーションのコースが多く、移住後の暮らしの豊かさを重視する方にとって大きな魅力となっています。

7年で家賃が約2倍に…「住みたい街」のリアルな変化

こうした人気の高まりは、住宅市場の変化にも表れています。KPGが約7年前に賃貸物件探しをサポートした際、2ベッドルームの物件は週550豪ドルほどで借りることができました。それが2026年現在では、条件の良い物件で週900〜1,000豪ドル程度まで上昇しています。

 

これは裏を返せば、「住みたい」と考える人がそれだけ増え続けているという何よりの証拠でもあります。

 

では、家賃が上がっている今、「もう手が届かない街」なのでしょうか。実はそうではありません。ここで注目したいのが「新築マンション」の話です。ゴールドコーストは、メルボルンやシドニーとはまったく違う、明るい数字が出ている街なのです。

 

不動産調査会社Charter Keck CramerのデータをKPGが分析したところ、ゴールドコーストでは今後3年間、「欲しい人の数(需要)」に対して「建てられる新築の数(供給)」が約114%に達し、需要よりも供給のほうが多くなる見込みです。これはオーストラリアの主要7都市の中で、唯一の街です。他の都市はどこも「家が足りない」状態が続く見通しなのに対し、ゴールドコーストだけは「家がちゃんと用意される」街だということです。

ゴールドコーストで新築マンションが増える理由

理由はシンプルで、ここ数年、新しいマンション建設プロジェクトが増えているからです。直近12ヶ月のゴールドコーストでは、新築アパートのローンチ(計画)戸数が約3,200戸にのぼり、過去5年平均(約2,700戸)・過去10年平均(約2,300戸)をいずれも上回る、記録的な水準となりました。実際に工事が始まった戸数(着工数)も約1,500戸で、こちらも過去の平均に近い堅調な水準です。今つくられているこれらの物件が、数年後にはそのまま新しい供給として市場に登場する、というわけです。

 

面白いのは、「誰が買っているか」にもゴールドコーストらしさが表れている点です。2026年第1四半期に売れた新築アパートのうち、36%はゴールドコースト以外の州に住む投資家が購入しています。シドニーやブリスベンでは「その街に住みたい人」が中心の市場であるのに対し、ゴールドコーストは全国から注目され、お金が集まってくる街になっているのです。

 

さらに、同じ四半期のオフ・ザ・プラン(未完成物件の青田買い)物件では、販売可能な在庫の18%がすでに成約しています。これはオーストラリア主要5市場のなかでパースの27%に次ぐ高い水準で、シドニーの6%、メルボルンの3%を大きく上回る数字です。「供給が多い」というだけでなく、「実際によく売れている」市場であることが見て取れます。

 

買い手の目的もさまざまです。よりコンパクトな住まいへ住み替えたい方、海辺での暮らしに憧れて移り住む方など、異なる背景を持つ人たちがこの市場に集まっています。強い購入需要が新規開発を後押しし、それが今後の確かな供給へとつながる。そして、その新築市場を地元住民だけでなく、州外の投資家や移住者など幅広い層が支えている。この「需要と供給が両輪でうまく回っている」状態こそが、今のゴールドコースト市場を語るうえで欠かせない特徴です。

「貸しながら使う」という賢い持ち方

ゴールドコーストで注目したいもう一つの選択肢が、賃貸運用と自己利用を両立できる不動産の持ち方です。ゴールドコーストには、普段は短期滞在者向けに貸し出しながら、オーナー自身も好きなときに滞在できる、いわゆる「ホテルコンド」タイプの物件がいくつもあります。

 

こうした物件は、サーファーズパラダイスやブロードビーチをはじめとするゴールドコーストの主要エリアに広く点在しています。ホテル運営会社のレンタルプログラムに物件を組み込みながら、一定期間はオーナー自身が滞在利用できる仕組みになっており、日本にいる間は家賃収入という形で運用しつつ、渡豪時には自分たちの部屋としてそのまま使える、という一石二鳥の持ち方が可能です。

 

こうした物件へのニーズを後押ししているのが、日本とゴールドコーストを行き来する「2拠点生活」を選ぶ方の増加です。日本の冬は厳しい寒さになりますが、南半球にあるゴールドコーストは季節がちょうど逆転しており、日本が一番寒い時期にゴールドコーストは心地よい陽気に包まれます。「寒い時期だけゴールドコーストで過ごし、それ以外の期間は物件を貸し出して収益化する」というスタイルを取る方が増えているのです。教育移住やリモートワークによる長期滞在とは違い、あくまで日本の生活拠点は維持したまま、季節に応じてもう一つの心地よい居場所を持つ、という発想です。

 

教育移住、リモートワーク、セカンドハウス、2拠点生活、そして投資。ゴールドコーストで不動産を購入する理由は一つではありません。そこにあるのは、世界的リゾートとしての華やかさだけでなく、実際に暮らし、学び、働き、楽しむための「生活の舞台」としての顔です。

暮らしの選択肢が広がる都市ゴールドコースト

ゴールドコーストの住宅市場には、価格上昇率や供給戸数といった表面的な数字だけでは測れない魅力があります。この街を選ぶ理由は、子どもの教育のため、海辺での暮らしに憧れて、セカンドハウスとして、日本の冬を避けての2拠点生活として、あるいは投資としてなど、実に多様です。そしてその多様な需要に応えるように、新築開発も着実に進んでいます。

 

日本人にとって、ゴールドコーストは「暮らしをイメージしやすい」街でもあります。日本との時差はわずか1時間。日本での仕事を続けながら生活拠点を移しやすいことに加えて、子どもの教育環境、一年中温暖な気候、海の近くでの暮らし、そして充実したゴルフ環境まで——家族での移住を考えるうえで魅力となる要素が、この街には一通りそろっています。

 

また、長期滞在やセカンドハウスとして使いながら、使わない期間は貸し出して運用するなど、不動産の持ち方そのものにも幅があります。ホテルコンドのように運用と自己利用を両立できる物件や、日本の寒い時期だけ拠点を移す2拠点生活といったスタイルを選べることも、ゴールドコーストならではの強みです。つまりゴールドコーストは、単に「人気の高い街」「供給の多い街」というだけでなく、日本とのつながりを保ちながら、教育・仕事・暮らし・趣味・資産形成をまとめて実現しやすい街だと言えます。

 

どんな方が、どんな目的でこの街の住まいを求めているのか。そして、その需要にどのような供給が応えているのか——この両方の視点を重ねることで、ゴールドコースト不動産市場の本当の姿がより鮮明に見えてきます。

 

次回は、同じクイーンズランド州にありながら、州都として異なる成長を続けるブリスベンの不動産市場をご紹介します。

 

より詳しくオーストラリア不動産の制度や市場動向を知りたいという方のために、KPGでは入門資料をご用意しています。あわせて、現地の最新情報や一般公開前の物件情報をお届けするメールマガジンも配信していますので、ご興味のある方はぜひご登録ください。

 

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参考文献
1.Charter Keck Cramer「National State of the Apartment Market Report – State of the Market H1-2026」(新築マンション需給予測・供給比率)

2.SQM Research「Weekly Rents – Gold Coast」(賃貸家賃データ)

3.Property Council of Australia「Gold Coast Apartment Snapshot 2026」(マンション承認・着工パイプライン)

4.KPMG Australia「Construction Delays Dampen Strong Gold Coast Apartment Market」(ゴールドコースト住宅市場動向)

5.Domain「Gold Coast Now Has Australia's Highest Rents」(賃料動向レポート)

 

※本記事はKPGによるスポンサードコンテンツです。掲載されている情報は執筆時点のものであり、将来の運用成果や資産価値の上昇を保証するものではありません。投資に関する最終決定はご自身の判断で行ってください。