約100年の歴史を受け継ぐ「623 Collins」
オーストラリア・メルボルンを拠点に、日本人のお客様の不動産購入や企業進出のお手伝いをしているKPG代表の寺田環です。
これまでの連載では、オーストラリア不動産の特徴や各都市の市場動向、東京との価格差についてご紹介してきました。今回は、実際にメルボルンで販売されている2つの注目物件を取り上げます。
一つは、約100年前の歴史的建築を住宅として再生するサザンクロス駅前の「623 Collins」。もう一つは、ヤラ川沿いに誕生する5つ星ホテル併設レジデンス「The One」です。
今回は、それぞれの立地、建築、住戸、共用施設、価格を見ながら、物件ごとの特徴をご紹介します。
「623 Collins」が建つのは、メルボルンCBD(中心業務地区)を代表するコリンズ・ストリートとスペンサー・ストリートが交わる角地。サザンクロス駅前の交差点を渡ってすぐ、徒歩1分という絶好の立地です。
この建物は1924年、ビクトリア州立貯蓄銀行として建設されました。ルネサンス期のイタリア宮殿を思わせるパラッツォ様式に、ギリシャ・リバイバル様式の影響を取り入れた外観を持つ、文化財登録された建築です。本プロジェクトでは、その歴史的な建物をただ建て替えるのではなく、建築としての特徴を残しながら現代の住宅へと再生します。
そして、この物件の魅力を考えるうえで、建物と同じくらい重要なのが「Collins Street」というアドレスです。Collins Streetは、メルボルン中心地を代表する通りの一つで、現在はオフィスだけでなく、高級ブランドショップやレストラン、ホテルなどが集まるエリアです。長い歴史を持つ美しい街並みと、ビジネスや商業の中心地としての利便性が高い次元で共存しています。
建築設計はPlus Studio、インテリアはFiona Lynch氏が担当しています。施工会社決定のイベントではFiona Lynch氏と直接お話しする機会があり、「住むことのできるアート作品」のような存在を目指すという熱い思いが語られました。同氏は過去に隈研吾氏とのプロジェクトにも携わった経験を持つ実力派です。
この物件の室内は、華美な装飾を前面に出すのではなく、素材、色、光、質感を生かした落ち着いたデザインとなっています。約100年前の外観と現代の住宅をどう一つにつなげるかという哲学が、室内空間にも見事に表れています。
住戸はスタジオタイプ、および1〜3ベッドルームで、価格は50万豪ドルからです。共用部にはプール、コールドプランジ(水風呂)、サウナ、スチームルーム、ジム、ヨガスペースのほか、プライベートダイニングやラウンジなども計画されています。
「623 Collins」を選ぶ意味は、設備の豪華さだけではありません。再現することのできない歴史的建築、Collins Streetという希少なアドレス、そして現代の優れた居住性。この3つを一つの住まいの中で享受できることが、このプロジェクトならではの特徴です。
5つ星ホテルを住まいに取り込む「The One」
もう一つご紹介するのが、サウスバンクのヤラ川沿いに計画されている「The One」です。実は本物件はまだ一般公開前となり、
クラウン・メルボルンに隣接し、ヤラ川沿いの遊歩道やレストラン、美術館、劇場などが集まるエリアに位置しています。メルボルン中心部へも徒歩圏内で、ビジネス、文化、食事、エンターテインメントを日常生活の中に取り込みやすい立地です。
このプロジェクトを手がけるのは、メルボルンで長年開発を行ってきたPDGです。私自身もPDGを訪れ、開発責任者から直接プロジェクトについて話を聞く機会がありました。「The One」最大の魅力は、世界的な5つ星ホテルが同じ建物内に併設される点にあります。
一般のレジデンスに加え、上層部にはホテルブランドのレジデンスが計画されており、完成は2030年を予定しています。さらに約5,000平米規模のウェルネス施設やファミリー向けスペース、プライベートクラブが設けられる予定です。コンシェルジュ、ハウスキーピング、空港送迎の調整、バトラーサービス、プライベートシェフの手配など、ホテル併設型ならではの最上級サービスも想定されています。
ここで重要なのは、単に「5つ星ホテルが入っている」ということではありません。日本とメルボルンを行き来する方であれば、長期間不在にする住宅であっても、必要に応じてホテルのサービスを利用し、管理を任せることができます。また、現地で暮らす場合には、ホテルサービスを日常生活の延長として取り入れることができるのです。
住戸の広さは、1ベッドルームが平均約60平米、2ベッドルームが約87平米、3ベッドルームが約124平米とゆとりがあり、さらにサブペントハウス、ペントハウスまで用意されています。

価格は、1ベッドルームが68万6,000豪ドルから、2ベッドルームが120万豪ドルから、3ベッドルームが230万豪ドルからとなっています。
ヤラ川沿いの絶好の立地、ゆとりある住戸、5つ星のホテルサービス、そして約5,000平米の充実した共用施設を、一つの住環境として利用できること。住宅とホテルを組み合わせることで、従来のマンションとは全く異なる暮らし方を提供していることが、「The One」を選ぶ大きな理由となります。
2つの物件から見える、選び方の違い
今回ご紹介した2物件は、どちらもメルボルン中心部に位置していますが、魅力の軸は大きく異なります。
「623 Collins」は、約100年前の歴史的建築を受け継ぎながら、ビジネスや商業、文化が集まるCollins Streetの駅前の一角に誕生するレジデンスです。建物そのものの歴史やデザイン、立地の背景に価値を感じる方にとって、他の新築物件とは一線を画す選択肢になります。
一方「The One」は、ヤラ川沿いという立地に加え、ゆとりある住戸、5つ星ホテルのサービス、約5,000平米の共用施設など、日々の暮らしや滞在の圧倒的な快適性を重視したプロジェクトです。
不動産を購入する目的は、資産運用、留学時の住まい、将来的な移住、長期滞在の拠点などさまざまです。そのため、同じメルボルン中心部の物件でも、何を重視するかによって選択肢は変わってきます。歴史や立地そのものに価値を感じるのか、ホテルサービスや住戸の広さを含めた生活環境を重視するのか。価格や間取りだけでなく、「自分がその物件に何を求めるのか」を整理することが、物件選びでは極めて重要になります。
● KPG公式Webサイト - メルボルンの物件一覧:https://kpcglobal.jp/category/properties/melbourne/
実際の物件から見える、メルボルンで住宅を持つ魅力
前回の記事では、東京とオーストラリアの不動産を比較し、同じ予算でも得られる広さや住環境が大きく異なることをご紹介しました。メルボルン中心部では1ベッドルームでも50〜60平米ほどの住戸があり、日本から視察に来られたお客様がその広さに驚かれることは日常茶飯事です。
実際の物件まで見ていくと、メルボルンで住宅を持つ魅力は、価格や広さだけにとどまりません。
中心部には企業や大学、文化施設、飲食店、スポーツ・イベント施設などが集積しており、資産運用だけでなく、留学、移住、長期滞在、自分自身の拠点など、さまざまな目的で住宅を活用できます。さらに、「623 Collins」のように街の歴史そのものを住まいへ受け継ぐプロジェクトもあれば、「The One」のようにホテルサービスまで生活の一部に取り込む住宅もあります。
資産として保有しながら、自分や家族が実際に利用することもでき、ライフステージや目的に応じて柔軟に使い方を考えられる。こうした選択肢の広さと豊かさも、メルボルンで不動産を持つ大きな魅力の一つです。
市場全体の数字データに加えて、立地、建築、デザイン、間取り、サービスまで具体的に見ていくことで、「メルボルンで住宅を持つ」という選択が、より現実的で魅力的なものとしてイメージできるのではないでしょうか。
次回は、シドニーで現在販売されている注目物件をご紹介します。
●オーストラリア不動産入門資料はこちら:https://kpcglobal.jp/5880/
●オーストラリア最新情報メルマガはこちら:https://kpcglobal.jp/4379/
