(※写真はイメージです/PIXTA)
老後資金と夫への不満からパートを始めた66歳妻
Aさん(66歳)は、定年退職した夫(67歳)と夫婦二人でのんびりと老後の生活を楽しんでいました。40代の息子と娘がいますが、それぞれ家庭を持ち、離れて暮らしています。
生活が苦しいわけではありませんが、最近の物価高や将来の介護費用への不安から、Aさんは長年通っていたスポーツクラブをやめて、近所のスーパーで働きはじめました。また、定年後に家でゴロゴロしている夫と四六時中、顔を合わせるのが嫌になったことや、「夫婦で温泉でも行ければいいな」と思ったことも働きはじめた理由です。
いまの生活におおむね満足しているAさんですが、大きなストレスとなっているのが、息子と娘の帰省です。それぞれが子どもを連れて、夏休みやシルバーウィーク、お正月前後に別々にやってきます。息子と娘はきょうだい仲があまりよくありません。仕事の都合もあるのでしょうが、娘などはわざわざ「兄さんはいつ行くの?」と事前に聞いてきて帰省時期をずらします。
嬉しいけれど体力もお金も削られる「憂鬱な帰省」
たしかに孫の顔を見るのは嬉しいのですが、子どもたちの帰省が決まれば、数日前から掃除をしたり、食事の買い出しや布団の準備をしたり。いざ帰ってくれば、孫に小遣いを渡したり、洗い物が増えたり、お風呂の順番にも気を遣ったりしなければなりません。さらに帰ったあとも、掃除やシーツなどの洗濯の山……。
「帰省は嬉しい。でも正直、体力もお金も削られる」。Aさんのように、そんな本音を抱えている高齢者は少なくありません。
腹立たしいのは、夫が家でゴロゴロしているだけで、帰省の準備も片付けも一切手伝わないことです。せっかくやってきた孫も、スマホやゲームに夢中で、話しかけるにも躊躇います。体力に自信のあるAさんも、さすがに帰っていったあとは、身体も心もぐったりします。
きょうだい一緒に来てもらえば楽、というわけでもありません。仲の悪いきょうだいの顔色を見ながら一緒にいるのもストレスです。加えて、連休中というスーパーの繁忙期に休まなければならず、職場への申し訳なさも重なっていました。
「コロナ禍のときは帰省がなくて楽だったのよね」。友達とのお茶の時間にもつい愚痴が出てしまいます。自分だけの悩みかと思っていましたが、意外と同世代の友達も同じようなことを思っていたことがわかり、ホッとしたこともありました。