水族館・動物園・遊園地――テーマパークに足を延ばすと、入園料や外食代、おみやげ代などで1万円近くが飛んでいってしまいます。限られた年金で生活する人にとって、1万円の出費はかなりの痛手です。しかし、「育児に疲れている娘に少しでも休んでもらいたい」「孫を喜ばせたい」という気持ちから、誘いを断れずにいる人もいるのではないでしょうか。金銭的な事情と親心との間で悩む谷崎ウメさん(仮名・76歳)の事例を見ていきましょう。
「お金も体力もギリギリ、だけど…」月11.5万円の年金で生活する76歳女性が、娘と孫からの〈シルバーウィークのお誘い〉をどうしても断れないワケ ※写真はイメージです/PIXTA

不安なのは体力だけではない

ウメさんが不安に感じているのは、体力面だけではありません。今回のお出かけで、ウメさんは9,300円を使ってしまったのです。

・飲み物代とおやつ代: 1,200円

・孫2人のおもちゃ代: 3,800円(昆虫採集セットとぬいぐるみ)

・ファミレスでの夕食代(折半したウメさん負担分): 2,800円

※昼食代はアキさんが払ってくれたため0円

 

ウメさんの収入は、亡くなった夫の遺族年金と自身の老齢年金を合わせて月11.5万円ほど。総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)」によると、65歳以上の高齢者単身無職世帯の可処分所得は11万8,465円です。ウメさんの月収は可処分所得を約3,000円下回っており、今回のように出費がかさんだ月はその分だけ節制をしなければなりません。

 

65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2025年-
出典:総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕 2025年(令和7年)65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2025年-」

 

無理に遠出をしなくてもいい

ウメさんは、自分を頼ってくれる娘に対して本音を打ち明けることができませんでした。しかし、無理して遠出をしなくても娘家族と楽しく過ごす方法はたくさんあります。近所の室内キッズパークや遊具がそろった大型の公園に行けば、出費を抑えながら孫たちに思いっきり遊んでもらうことができるでしょう。

 

「来年から行けない」という極端な選択をしてしまう前に、金銭的にも体力的にも無理せず続けられる方法を考えることが大事なのかもしれません。