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「老後の面倒を見る」という言葉の裏で…78歳父親が遭遇した実家乗っ取りの現実
東京都内、築40年の戸建て(持ち家)に住む小林清(78歳・仮名)さん。数年前に妻を亡くして以降、一人で暮らしていました。
清さんの収入は、現役時代の厚生年金と国民年金を合わせた月額約20万円の年金のみ。日常の買い物や通院は自分で行い、生活に大きな支障はありませんでした。
変化が起きたのは、別居していた長男の小林哲也(50歳・仮名)さん夫婦から同居を提案されたことです。
「一人暮らしは心配だから、自分たちが実家に入って老後の面倒を見る」という申し出。清さんは息子夫婦のありがたい提案だと、同居生活をスタートさせます。
しかし、同居開始から半年後、清さんは体調を崩して入院。入院手続きや医療費の支払いを代行するため、哲也さんは清さんに銀行の通帳とキャッシュカードの預託を求めました。清さんは何の疑いもなく、自身の口座情報をすべて哲也さんに託すこととなりました。
その後、清さんは順調に回復し退院。自宅に戻ったあとも、預けた通帳とカードが戻ることはありませんでした。毎月振り込まれる20万円の年金から、清さんの手元に渡されるのは日用品の購入費として月に1万円程度のみ。
また清さんが通帳の明細を確認できない状態が続くなか、自宅のインテリアは、哲也さんと妻の小林真由美(48歳・仮名)さんにより買い替えが進みました。さらに、真由美さんの衣類や趣味の費用、哲也さんの自家用車ローンの返済までもが、清さんの年金口座から支出されていたことが発覚します。
厚生労働省『令和4年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果』によると、養護者による高齢者虐待の相談・通報件数は38,291件。そのうち「経済的虐待」は全体の約16%を占めており、虐待者の間柄内訳では「息子」が約38%と最も高い割合を示しています。
親の判断能力や身体機能の低下に乗じ、親族が預金や年金を管理下に置いたまま不適切に消費する被害が全国で相次いでいるのです。