物価高が続くなか、友人との外食にも以前よりお金がかかるようになっています。総務省「令和6年全国家計構造調査」によると、総世帯の外食費は1か月平均1万4,438円。そんななか、学生時代からの友人との食事会で、毎回子どもを連れてくる友人にモヤモヤを募らせていた43歳女性。決定打となったのは、5人で食事をしたあとの「4人で割ろう」という一言でした。
2,000円台のランチだったはずが3,000円超え……毎回〈小学生の娘連れ〉で来る友人。5人の食事を「4人で割ろう」に43歳女性が抱いた「違和感の正体」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「じゃあ4人で割ればいいよね」

さらにミホさんが引っかかっていたのが、お金の問題です。

 

小学生とはいえ食べる量も増えており、大人の料理を取り分けることも少なくありませんでした。

 

「もう小さい子みたいに、少しつまむだけではないんです。普通に一人分近く食べることもあります。それなのに、会計になると娘ちゃんの分だけ、なぜかないことになるんですよね」

 

それでも会計では、子どもの分まで含めた総額を大人4人で割ることが何度か続いていました。

 

ある日のランチでは、大人4人とユカさんの娘の5人で食事をしました。

 

大人はそれぞれ2,500円前後のランチを注文。ユカさんの娘も食事に加えてジュースやデザートを頼み、会計は全部で1万2,800円ほどになりました。

 

伝票を見たユカさんが言いました。

 

「じゃあ4人で割って、1人3,200円でいいよね」

 

ミホさんは一瞬、「あれ?」と思ったといいます。

 

「2,000円台のランチを食べたつもりだったのに、会計が3,000円を超えていたんです」

 

ユカさんの娘の飲食代を約2,000円とすると、残る1万800円を大人4人で割って1人2,700円ほど。

 

一方、総額1万2,800円を4人で割れば1人3,200円。ミホさんを含む3人は、それぞれ500円ほど多く負担することになります。

 

「娘ちゃんも小学生になって、もうほとんど食べない年齢ではありません。普通に食事をして、ジュースやデザートも頼む。それなのに、その分まで毎回こちらが負担するのは違うんじゃないかと思いました」

 

ミホさんは、それまで言えずにいた言葉を口にしました。

 

「ごめん。今回は娘ちゃんの分は別にしてもらっていい?」

 

するとユカさんは、少し驚いたように、

「え、そんな細かいこと気にする?」

と言ったそうです。

 

「たかが500円と言われればそうなんです。でも毎回なんですよね。それ以上に、『自分の子どもが食べた分もみんなで払うのが普通』みたいな感じが嫌だったんだと思います」

 

結局、その日はユカさんが娘の飲食代として約2,000円を負担。残りの約1万800円を大人4人で割り、1人あたり約2,700円を支払いました。

「正直、毎回子どもを連れてこられるのも嫌でした」

会計の一件をきっかけに、ミホさんは自分が何にモヤモヤしていたのかを改めて考えました。

 

「お金だけじゃなかったんですよね。正直に言えば、毎回子どもを連れてこられること自体も嫌でした」

 

夜に行きたい店がある。お酒を飲みながらゆっくり話したい日もある。誰かの恋愛や家庭の話を、気兼ねなくしたいときもある。

 

「子どもが嫌いというより、大人だけで会う時間が欲しかったんです」

 

その後、4人全員で集まる機会は徐々に減っていきました。

 

代わりに、ミホさんは独身の友人2人と3人で会うことが増えました。少し遅めの時間に集まったり、静かな店でゆっくり食事をしたりしています。一方、独身の2人は今もユカさんや娘と会うことがあるそうです。

 

「それは全然気になりません。私抜きで会うのも何とも思わないんです。単純に、私は毎回子どもがいる集まりには行きたくない。それだけなんですよね。幸い、友人たちはサッパリしているタイプというのもあって特にそれで気まずいとかもないですね」

 

「4人はいつでも一緒」でいる必要はない。ミホさんはそう考えるようになりました。

数百円の違いでも、人間関係のズレは表れる

総務省「令和6年全国家計構造調査」によると、総世帯の1ヵ月平均消費支出は25万1,242円。そのうち外食は1万4,438円でした。一方、「交際費」は2019年の9,415円から2024年には8,054円へ減少しています。

 

もちろん、1回500円多く払ったからといって、ミホさんの家計が大きく揺らぐわけではありません。

 

ただし、友人同士のお金のトラブルは、必ずしも金額の大小だけで起こるものではないでしょう。

 

誰かの子どもの食事代を一度数百円負担することと、それが毎回、説明もなく「当然の割り勘」として組み込まれることは別です。

 

同じように、子どもを一度連れてくることと、毎回「子連れ前提」になることも同じではありません。

 

結婚や出産、仕事などによって生活環境が変われば、友人との付き合い方も変化します。

 

子連れで会いたい人とは昼に会う。大人だけで話したい人とは夜に会う。すべての友人と同じ距離感、同じ会い方を続ける必要はありません。

 

お金の負担も、会う時間も、話せる内容も、それぞれの心地よさは違います。小さな違和感を無理に飲み込まず、付き合い方そのものを調整することも、長い友人関係を続けるためのひとつの方法なのかもしれません。

 

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