限られた年金で暮らすなか、物価高や予期せぬ出費によって極度の資金不足に陥る高齢者は少なくありません。家族に頼れず貯蓄を取り崩して耐える裏には、孤立や公的支援の届きにくさという課題が存在します。ある78歳女性の事例から、単身高齢者が直面する家計の現実を見ていきます。
「もう完全に終了です…」〈年金月12万円〉78歳女性、電気代高騰で「年金受給日」まで「所持金980円」の悲劇 ※写真はイメージです/PIXTA

年金12万円では足りない現実

以前、役所に相談に行ったことがあります。生活保護という選択肢も現実的と考えたからです。しかし、「佐々木さんのケースですと、難しいです」と言われました。

 

「1カ月、生活できる程度のお金があると、申請しても難しいと。『貯金を使い果たさないといけないということ?』と聞くと、そうだって。なんとかお金を減らさないように頑張っている限り、無理なんですね」

 

いっそのこと、パーッとお金を使ったほうが楽かもしれない――そう思いましたが、もちろん実行に移せたわけではありません。

 

洋子さんが頼ろうとした生活保護。生活困窮においては、状況に応じた公的な支援制度や相談窓口があります。

 

●生活困窮者自立支援制度:仕事や住まい、家計など生活全般の困りごとを相談できる窓口。衣食住の提供や就労支援などを受けられる。

●生活福祉資金貸付制度:社会福祉協議会が行う、低所得世帯や高齢者世帯向けの貸付制度。生活費や一時的な資金などの借り入れができる。

●住居確保給付金:離職や収入減少により住まいを失うおそれがある人へ、自治体から家賃相当額が支給される制度。

●求職者支援制度:ハローワークの支援を受けながら無料の職業訓練を受講し、条件を満たす場合は給付金を受け取れる制度。

 

「あと2週間、あと2週間経ったら、年金がもらえるから。頑張らないと」

 

そう言って、貯金から2000円だけ引き出したといいます。