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34歳ですでに「老後が怖い」
田中さんが結婚を意識するようになったのは、30代に入ってからでした。友人の結婚式に出席する機会も増えました。子どもが生まれた同級生もいます。ただ、自分の将来を考えると、祝福する気持ちと同時に不安が膨らみます。
結婚すれば、家賃だけでは済みません。住居費。食費。保険。将来の教育費。さらに住宅を購入すれば、住宅ローンも加わります。田中さんの貯金は約80万円。さらに500万円ほどを運用しています。一方で、奨学金の残高が約70万円あります。
「結婚式に数百万円。新居にもお金がかかる。子どもができたら教育費も必要になる」
親からは「いい人はいないのか」と聞かれます。しかし、そんな親を見ていると、不安がさらに増すといいます。
「あと2、3年ほどで父親は年金をもらう年齢なんですが、月17万円ほどもらえる予定だって……えっ、たったそれだけ? と思いましたよ。それで生活できるわけがない。今から資産運用をしていかないと、とても間に合わない」
田中さんも、結婚そのものを否定しているわけではありません。むしろ、できれば家庭を持ちたいと思っています。それでも気になるのは、自分の口座残高。
「今お付き合いしている人はいますし、結婚についても話しています。彼女は結婚後も働きたいと言っています。それだけであれば、結婚したいです。でも子どもができたら、どうなります?」
会社には子育てをしながら働いている人はたくさんいる一方で、子育てと仕事の両立で悩んでいる姿もよく目にするといいます。
「本当ならバリバリ仕事をこなして、キャリアアップを目指せる立場の人も、なかなかそれが叶わない。給与が上がらない。場合によっては収入減もありうる……そんなんで、家族が増えて生きていけるんでしょうか?」
こども家庭庁が途中結果を発表した『若年世代に関する総合的な調査(若者10万人の総合調査)(令和8年度)』によると、結婚のハードルとして「安定した結婚生活を送れる収入への不安」を挙げた人が40.0%に上りました。特に、田中さんと同世代の「30〜34歳男性」に絞ると、同不安は40.5%に達し、さらに「結婚のための住居や住居資金の不足」も30.9%が挙げています。
一定の給与があっても、高い住居費や老後への不安から結婚をためらう田中さんの状況は決して稀ではなく、若者全体の問題。所得向上や住居支援など、社会的な後押しが不可欠といえそうです。