最新の子ども家庭庁の調査によると、「結婚はしたい。でもできない」という若者が多いことがわかりました。そこにはどのような障壁があるのでしょうか。「現代の結婚のハードル」と、その背景にある切実な実態に迫ります。
「結婚したくないわけではない、お金がないんです」…〈月収40万円〉34歳の東京男子、大卒・大企業の平均給与でも「結婚できない」切実事情 ※写真はイメージです/PIXTA

「平均くらい」は、余裕があるわけではない

「結婚したくないわけではありません。ただ……お金がない。今の収入じゃ、とてもじゃないけど暮らしていけない」


都内在住、IT企業に勤める田中翔太さん(仮名・34歳)。「今の収入じゃ……」という月収は約40万円、年収は700万円ほどです。

 

厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』によると、田中さんと同年代「30〜34歳」男性正社員の平均給与は、月収で33.7万円、年収で567.6万円。大卒・従業員数1,000人以上の大企業に限っても、月収39.4万円、年収698.7万円です。

 

「お金がない」「今の収入じゃ結婚は無理」と言いますが、田中さんの給与は平均より高めです。しかし、収入が高くても生活に余裕があるとは限らず、田中さんもその一人です。

 

「周囲からは、34歳で月40万円なら普通に結婚できるだろうと言われます。でも、自分ではそう思えないんです」
田中さんの手取りは月約31万円。東京23区内の1Kマンションの家賃は10万8,000円です。食費は4万円。水道光熱費と通信費で2万5,000円。日用品や衣服、交際費などを合わせると、毎月の支出はおよそ25万円に達します。さらに毎月5万円を貯蓄するのが、絶対的なノルマです。

 

「最近は飲み会自体も減っていますが、一回行くと1万円はなくなるでしょ。デートも、毎回きちんとした店に行くのは難しい。こんなに日常で精一杯なのに、結婚して、家族ができて、と考えることができないんです」