(※写真はイメージです/PIXTA)
住みはじめてから10年後、発覚した衝撃事実
入居から10年が経過したころ、キッチンなどの水回りのリフォーム計画を計画した近藤夫妻は建築士に敷地全体を確認してもらいました。そこで判明したのが、擁壁に生じたひび割れや変形です。行政の基準に照らしても改修が必要な状態に陥っていました。
擁壁は建物本体とは別に、土留めとしての強度が求められる構造物です。老朽化を放置すれば崩落のリスクにもつながりかねません。
結果として、当初想定していたリフォーム予算とは別枠で、高額な擁壁の補強・改修費用が追加で発生することになりました。想定外の出費により、当初立てていた資金計画は大幅な変更を余儀なくされたのです。「安さの理由ってこれだったんですね。あのときの小さな疑問を無視してしまったことを、心から悔やんでいます」と聡さんは落胆しました。
購入前にできるリスク回避策
では、どうすれば購入前に知ることができたのでしょうか。近藤さんの事例から見えてくるのは、「価格の安さ」の裏にある理由を、購入前にどこまで掘り下げられるかという点です。
相場より価格が抑えられている物件に出会った際は、「なぜ安いのか」を売主・仲介会社へ具体的に確認しましょう。納得できる説明がない場合は契約を急がない姿勢も大切です。特に「立地の関係で」「事情があって」といった曖昧な説明で終わる場合は、一度立ち止まって専門家の意見を仰ぐことをお勧めします。
具体的なリスク回避策として、以下の3点が挙げられます。
1.ホームインスペクション(住宅診断)の依頼
契約前に専門家の目で建物や敷地の状態を客観的にチェックしてもらうことができます。
2.自治体窓口での確認
擁壁がある物件の場合、自治体で検査済証の有無や、既存不適格に該当しないかを確認することが重要です。古い擁壁には現行の建築基準法に適合しないケースが多く、将来的に改修義務が発生する可能性があります。
3.予備費を見込んだ資金計画
リフォーム予算には想定外の追加修繕に備えた予備費をあらかじめ組み込んでおきましょう。住宅ローンを組む段階で予備費を見込んでおけば、いざというときも貯蓄の切り崩しや追加融資に追われずに済みます。
住まいの購入は、人生における大きな意思決定の一つです。特に中古物件は、価格の魅力の裏側に見えにくいリスクが潜んでいることも少なくありません。「安さ」だけで判断せず、専門家によるチェックと、万一に備えた資金的な余裕を持つことが、後悔のない住まい選びへの一助となるはずです。
藤原 洋子
FP dream
代表FP
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